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Jeremy Chardy

ジェレミー・シャルディ

 生年月日: 1987.02.12 
 国籍:   フランス 
 出身地:  ポー(フランス)
 身長:   188cm 
 体重:   75kg 
 利き手:  右 
 ウェア:  LACOSTE 
 シューズ: asics 
 ラケット: Tecnifibre T-Fight 305 
 プロ転向: 2005 
 コーチ:  Philipp Wagner 

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 細身ながらバネのあるフィジカルを活かした強烈なストロークが軸となったパワープレーを持ち味とする、技巧派の多いフランス勢には比較的珍しく痛快な強打のテニスが前面に出たハードヒッター。ジュニア時代にはウィンブルドンで優勝するなど、フランスの将来のエースとして期待されたが、フランス勢の悪しき伝統ともいえる、プロになってから伸び悩む傾向が彼にも当てはまり、09年シュツットガルト(250)でのツアー初優勝がキャリア唯一のタイトルと、時折トップ10級を撃破する要警戒プレーヤーの域を出ていない。とはいえ、攻撃力抜群のフォアと強力なサーブが確率良く入り、どんどんと攻め立てるテニスができている時のプレーは迫力十分で、13年全豪ではデルポトロらシード勢を立て続けに破ってベスト8、15年モントリオール(1000)では準々決勝イズナー戦でマッチポイント7本を覆してマスターズで初めてベスト4に入るなど、そのポテンシャルはやはり侮れない。サーフェス的には強打を打つための間合いをしっかりと確保できるクレーやスローハードの方が彼の力は発揮されやすい。

破壊的なフォアハンドの精度が勝敗の生命線

 最大の武器となっているのが極めて厚いグリップと大きなテイクバックから豪快に振り抜く独特なフォームを持つフォアハンド。このフォーム的な問題で、試合の中でタイミングを合わせるまでにやや時間を要するものの、当たり出すと手がつけられない破壊的な威力を備える。このフォアがシャルディのテニスの中で半分以上のウエイトを占めていると言っても過言ではなく、高い打点から常にライン際ギリギリを狙って強打するフォアが決まるか否かが勝敗を分ける生命線だ。また、ラケットの真ん中に当てるインパクトの精度が高いとは言えないが、彼はミスヒット気味でも常にフルスイングしてくるため、相手にとっては高い軌道から不規則な回転のボールがコート内に落ちて非常に厄介な荒れ球となっている。相手のブロック気味のリターンやディフェンスショットに対して、瞬時に前に入り込んで放つ強烈なドライブボレーも彼のトレードマークと言ってもいい得意なショットで、普通のプレーヤーなら一度落として打つようなボールもリスクを負って処理していく姿勢は相手にとっては脅威だ。一方、強気のフォアと比べるとバックハンドはフォームが硬く、全体的には苦手としており、スライスへの依存度が非常に高い。ただし、そのキレ自体は鋭く、うまく使えている時は低く滑るバックのスライスと鋭角にコートを抉っていくフォアの強打が絶妙なコントラストを描いて大きな効果を生む側面もある。とはいえ、ラリーの中で彼の頭にあるのは得意のフォアをできる限り多く使って相手を駆逐することであり、ゆえにたとえ逆襲に遭うリスクが大きかろうと、かなり強引にフォアの回り込みを試みる。また、そのために相手が打つ前からコースを読んでバック側に動き出したり、基本ポジションもややバック側に取っていることが多い。そうした部分での開き直りが、逆に相手にとっては怖さやプレッシャーとなっている。大振りスタイルに加え、ベースラインでのフットワークに難があるため、テンポの速い相手との対戦や風の強い状況などでは脆さが表れる点は大きな弱点となっている。

大きく跳び上がって叩きつける強烈なサーブ

 高いトスに対して大きく跳び上がって高い打点から叩きつけるようにエースを量産するビッグサーブはもう1つの武器であり、攻撃的なテニスを支えている。ややトスが不安定な点が積年の課題で、とりわけアドバンテージサイドから2ndでスピンサーブを打つ際にトスが左に流れることで、ダブルフォルトの多さや着地でバランスを崩す要因となっている。

緻密な戦術よりも正面突破を狙う痛快なハードヒットテニス

 粘り強さや技術・戦術を活かして戦うタイプではなく、あくまでサーブとフォアの爆発的なパワーにものを言わせたテニスが魅力で、ショットが入る日は勝てる、入らない日は勝てないというなんとも粗削りだがシンプルなプレーヤーであり、メンタル的にトップとの対戦で相手をリスペクトしすぎてプレーが硬くなる傾向は改善したいとはいえ、コートに収めさえすれば決まるボールをネットにかけたり、判断を誤ってポイントを落とすといったことなどもすべて彼の個性と見るべきだろう。この手のプレーヤーは名コーチの招聘など、何か1つきっかけを掴めば一気に飛躍することも多いが、下降線を辿り始めてもおかしくない年齢にある彼は果たしてどうなるだろうか。