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Andreas Seppi

アンドレアス・セッピ

 生年月日: 1984.02.21 
 国籍:   イタリア 
 出身地:  ボルツァーノ(イタリア)
 身長:   191cm 
 体重:   78kg 
 利き手:  右 
 ウェア:  FILA 
 シューズ: FILA 
 ラケット: PROKENNEX Ki Q+ Tour Pro (325) 
 プロ転向: 2002 
 コーチ:  Massimo Sartori 

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 長身を活かした長いリーチでとにかくボールを拾い、安定感抜群のストロークを丁寧に繋ぐ粘り強いテニスを身上とし、長きに亘ってイタリアテニスを牽引するベテランプレーヤー。特徴がないのが特徴というプレーヤーの1人で、これというわかりやすい武器はないが、試合を通じて相手になかなかポイントを取らせないのが強さのベースとなっており、どんなショットに対しても一定のペース・高さ・深さで確実に返球するという意味での「安定感」を競わせたら間違いなくツアー屈指の職人。08年ハンブルク(1000*)でのベスト4以外に大きな大会での目立った戦績はないものの、プレースタイル、メンタルともに崩れにくい性質があり、強豪相手にも接戦を強いる能力を持っている。そうしたテニスの特性上、一気に大ブレイクということはこれまでなく、ツアー初優勝も11年のイーストボーン(250)とやや遅くなったが、15年全豪でのフェデラー撃破など忘れた頃に上位陣を窮地に陥れるのがセッピでもある。イタリア人らしくクレーで成績が良い一方、フラット系の低い軌道を主な持ち球とするプレースタイルはむしろ芝など高速系サーフェスに相性が良く、どんな条件でも十分に強さを発揮する。

伸びやかな低軌道で粘る職人的な力を究めたストローク

 一発の威力ではなく、プレースメントや粘りで勝負するのが彼のストロークであるが、一般的に確率の高いとされるスピンではなく、軌道に雑味がまったくないフラット気味のボールを深く打ち続けて粘るという独特かつやや変則的な能力の持ち主である。滅多なことではミスを出さない堅実さに加えて、ボールが深いため相手はなかなか攻め切れず、最後は根負けさせられるという展開が多いのが特徴。フォアハンド、バックハンドともにショートテイクバックで素早くボールの真後ろにラケットを引いたところからコンパクトなスイングでボールを捉え、強打というよりは自分のバランスが崩れない程度に力を抑えつつ、深さと角度を巧みに操ることができるのが強みである。堅牢な守備力と豊富なスタミナをベースにしたカウンタープレーを得意な形とするが、その際ベースラインから極端に下がることはなく、相手の強打の威力を吸収しながら早めのタイミングでボールを処理するため、守から攻への切り替えもスムーズとなり、ゆえにネットで取るポイントも多い。とはいえ、相手の意表を突く巧みな判断力を駆使して、鋭角へ放つフォアの逆クロスで非常に伸びのあるウィナーを多く奪うなど、決してディフェンス一辺倒のストローカーではない。長身でほどほどのパワーがあり、意外に俊敏で高く跳ね上がるボールも苦にせず、ロングラリー大歓迎という彼のテニスはまさに“カテナチオ”。セッピの一貫したハイペースのラリーを嫌った相手は、スピンで軌道を上げたりスライスで緩急をつけたりと様々な手を使って揺さぶりをかけてくるのだが、彼のストロークはネット上わずかの高さを通すコントロールが乱れず、常にスピードボールを繰り出していく。ペースの変化が効かないうえにオーバーパワーもできない点で、彼と戦うプレーヤーは忍耐力を試されていると言ってもいい。怖さはないが彼との対戦ではたとえ上位陣であれ消耗戦を覚悟しなければならないという意味で、非常に厄介な存在だ。

地味だがフリーポイントを計算できるクイックサーブ

 角度と緩急で相手を苦しめるクイック気味のサーブも武器の1つで、200km/hを超えることはほとんどないものの、両サイドともにセンターラインを正確に捉える精度の高いサーブで、確実にエースやフリーポイントを奪うことができる。

乱れることのない冷静さとポーカーフェイス

 試合中は常に安定したメンタルで冷静な判断力を備えており、ポイントを取っても取られてもまったく表情を変えないポーカーフェイスは独特な雰囲気を感じさせ、それは多かれ少なかれ相手に対するプレッシャーを生んでいる。実力の割に知名度が低く、それゆえに相手プレーヤーに対する声援の方が大きくなり、アウェイな雰囲気での戦いを強いられることも多いが、そうした状況に動じることはなく、むしろ彼は落ち着きつつも大舞台を楽しめるタイプである。また、彼のようなつかみどころのないプレーヤーには多いことで、5セットマッチでフルセットまでもつれる試合が非常に多いのが特徴なのだが、その戦いぶりもまさにセッピのしぶとさと勝負強さを示している。

「勝ちにくいプレーヤー」の代表格として存在感は健在

 プレーのどこを切っても派手さや迫力はないが、勝ちにくいプレーヤーの代表格として今後もツアーで存在感を示してくれそうだ。サーブやストロークなどすべてにおいて攻撃力が上がってくるとさらに厄介さが増し、結果もついてくるだろう。もう若くはない年齢であり、パワー自慢の若手に力負けして押し込まれる試合が僅かに増えた印象もあるものの、晩成型であり体力的な衰えもそれほど見られないだけにまだまだ活躍に期待したい。