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Mikhail Kukushkin

ミハイル・ククシュキン

 生年月日: 1987.12.26 
 国籍:   カザフスタン 
 出身地:  ヴォルゴグラード(ロシア)
 身長:   183cm 
 体重:   72kg 
 利き手:  右 
 ウェア:  HEAD 
 シューズ: asics 
 ラケット: HEAD Speed Pro 
 プロ転向: 2006 
 コーチ:  なし  

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 フォアハンドから絶え間なくライン際にフラット系の鋭いショットを突き刺してウィナーを量産していく積極果敢なプレースタイルを持つ攻撃型ストローカーの実力者。厳しい経済環境で育ち、大会を転戦するだけの余裕もなかった彼に転機が訪れたのは08年、テニスの発展に向けて各国から有望株を募っていたカザフスタンに国籍を変更し、以後同国協会から全面バックアップを受ける中、期待に応える形でツアーで存在感を示し、またカザフスタンを強豪国に引き上げた。10年秋にデビスカップのワールドグループを賭けたプレーオフのスイス戦で格上のバブリンカに勝利して自信をつけると、翌月のサンクトペテルブルク(250)では決勝で当時10位のユーズニーを破りツアー初優勝を果たした。元々コーチを務めていた女性と結婚し、その後も長く彼女の指導の下でプレーを続けてきたというユニークな一面も持つ。彼自身のプレースタイルは十分に能動性の高い積極的な部類といえるが、フォア、バックともにツアーで最も回転量の少ない打球を操るプレーヤーの1人だということも関係して、相手目線ではククシュキンからの返球が浮いてこず常に低い位置で捕らされる分だけ振り切れない感覚があり、粘り強い守備型のプレーヤーと捉えられることもある。テニスのスタイル的に彼の力が最大限に発揮されるのはハードコートで、特にインドアなど高速系サーフェスでは高い勝率を誇る。

美しくコーナーに吸い込まれる低弾道のフォアハンド

 体の開きを抑えてパワーを溜め、大きなテイクバックから厚いインパクトでダイナミックに振り抜く球持ちの長いフォアハンドは彼の最大の武器で、打ち込むボールの深さが相手の自由を奪い、ラリー回数が増えるにつれて主導権を引き寄せる。とりわけダウンザラインへの強打の精度は目を見張るものがあり、糸を引いたような美しい弾道でコーナーに吸い込まれていく。打球時に上体の軸がほとんどぶれないため、返球されたボールの強弱を問わずしっかりと叩けるのが強みで、彼に構えて打つ状況を作らせてしまうと危険だ。とはいえ、相手のショットの力を利用する能力もまた高く、ハードコートでは膝を柔らかく使って急停止するフットワークもあいまって、強烈なカウンターショットも大きな魅力である。

"変化球"を操る極めて特殊なバックハンド

 ボールの出所が読みづらく、ラケットヘッドを落とさずにボールを斜め下から払うような格好のフォームが特徴のバックハンドは、ツアーでもトップクラスに特殊な回転と軌道で飛ばすショットであり、相手とすれば”変化球”と言っても過言ではないそのショットに慣れるまでに少し時間を要する。その特殊性とはすなわち無回転系かつナチュラルにスライスして左側に曲がる点にあり、とりわけバウンドの低いサーフェスで抜群の効果を発揮する。ウィナーを稼ぐほどの決定的な威力は持たないが、左右に確実に散らして走らせるコントロール力はいやらしく、加えて回転量が多めのスライスで緩急もつけながらラリーを展開するため、回り込みフォアへの警戒も含めて対ククシュキンのラリーでは慎重にならざるを得ない。

低い位置で捕らせて自らの連続攻撃に繋げるラリー戦

 どのコースに打つにも概して軌道の低いフラット系でスピード重視のショットをネット上ギリギリの高さを通過させて相手を押し込んでいくストロークは、攻撃力と安定感を高度に兼ね備えており、連続して質の高いショットを繰り出すことで相手を防戦に立たせることができる。課題があるとすればネットプレーに自信がないために、本来ならアプローチを打ってボレーで決めたい流れでも強引にストロークウィナーを狙わざるを得ず、どうしてもミスが増えてしまう点で、ボレーの改善によって確実に決めるパターンを習得したいところだ。

強烈に叩かれる2ndを改善したいサーブ

 攻撃的なテニスにあってはサーブがまだまだ改善の余地がある課題といえる。確率重視の中である程度のフリーポイントも取れる1stはともかく、容易に回り込みからフルスイングでのリターンなどを許してしまっている遅い2ndは大きな弱点で、特に勝負所でコースが甘くなる傾向はどうにかしたい。

曲者の強豪の地位は盤石、さらに上を狙える力もある

 半端なパワーやスピードで振り切ろうとすれば、逆に反撃に遭って苦戦を強いられるというのがククシュキンとの対戦の特徴で、トップ10級であっても侮れない曲者の強豪なのは間違いない。不気味な存在ではあるが、一方で重要な局面におけるあと一押しが足りない印象もあり、やや物足りなさが窺えるメンタル面で一皮剥けて威圧感のようなものが出てくると、さらに上を狙えるポテンシャルは持っている。