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Andy Roddick

アンディ・ロディック

 生年月日: 1982.08.30 
 国籍:   アメリカ 
 出身地:  オマハアメリカ)
 身長:   188cm 
 体重:   88kg 
 利き手:  右 
 ウェア:  LACOSTE 
 シューズ: Babolat 
 ラケット: Babolat Pure Drive Roddick Plus 
 プロ転向: 2000 
 コーチ:  Larry Stefanki 

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 絶対的な武器であるビッグサーブと目にも留まらぬ強烈な打球を放つフォアハンドの両刀を駆使して敵を蹴散らす攻撃型スタイルのテニスで、デビュー当初から常にトップでの活躍を続けているアメリカの元No.1プレーヤー。ジュニア時代の輝かしい実績を引っ提げてプロツアーに参戦すると、1年目から3タイトルを獲得するなど特大のポテンシャルを示す形で一気に躍進。その2年後の03年には夏の北米ハードコートシーズンに凄まじい勢いを見せ、モントリオールシンシナティでマスターズ2週連続優勝、そして全米では準決勝のナルバンディアン戦でストレート負けの窮地から相手のマッチポイントを切り抜けて勝利を掴むと、決勝でフェレーロを圧倒してグランドスラム初優勝を成し遂げた。同年終盤にランキング1位を記録し、その後すぐにフェデラーにその座を奪われたものの、以後現在に至るまで常にトップに君臨し続けている。各部に大小の怪我を抱えた影響もあり、トップ10に定着しながらもなかなか上位陣には勝てない中だるみの時期もあったが、以前のような強打一辺倒の猪突猛進型のテニスから徐々に緻密な試合巧者へと大きく変貌を遂げたことにより、これまでとは別の強さを身につけている。フェデラー全盛期の最大の被害者としても知られ、もし彼の存在がなければ少なくともあと数個はビッグタイトルを獲得していたはずで、実際に4度のグランドスラム準優勝で涙を呑んだその相手はいずれも彼であり、対戦においては明確な戦略をいまだに見出せずにいる。クレーを苦手にしており、全仏などクレーの大会では早期敗退も目立つが、それでも上位をキープできるのは、サーブの威力が最大限に活かされるハードと芝で安定して好成績を残しているからである。本人的にもクレーでの戦いは半ば諦め交じりで、今後戦闘力の強化に努めるつもりもないようだ。少しサイズの大きめのウェアを着用し、ポイント間に両袖を捲し上げる仕草が彼のルーティンである。また、アメリカ人らしい陽気なジョークを振りまく性格もファンから愛されており、エキシビションなどで重宝されるプレーヤーでもある。

問答無用でエースを量産する史上最強クラスのビッグサーブ

 破壊的なパワーに技術力の高さが上乗せされたサーブはロディックの代名詞。躍動感溢れるフォームから繰り出されるクイック気味のサーブは、腕のプロネーションを強烈に効かせることで全身のパワーを最大限にボールに伝えており、スピード・キレ・安定感すべての要素においてその完成度が現役プレーヤーの中で群を抜いている。1stは最速249km/hを記録したこともある強烈なフラットサーブを軸にしつつ、スライス系やスピン系も織り交ぜて的を絞らせず、エースを含めフリーポイントを量産する。そこまで球速が出ていなくても食い込まれることが多いのが特徴で、バウンド後のボールの加速感、すなわち初速と終速の差が少ないことが大きな強みと言っていい。また、2ndで頻繁に使うキックサーブは他のプレーヤーのそれよりもさらに高く跳ね上がるため、リターンから攻め込まれることも少ない。高いサービスキープ力を実現しているのはこれらが大きな要因である。ここ最近はサーブに関連する数字に陰りが見られるのが不安材料で、サーブを確実に返球されるとストロークに突出した武器がないため、劣勢に立たされるケースが目立つ。

極めて速いスイングから繰り出す爆発的なフォアハンド

 ギリギリまで引き付けた状態から繰り出されるフォアハンドもスイングスピードが極めて速く、彼の強力な武器の1つである。基本的にクロスにはスピンを強めにかけた繋ぎのショットを使い、攻勢に出る時には思い切って回り込んで逆クロスへフラットドライブ系のショットでウィナーを狙いにいく。特に若き日のフォアは当時誰も止めることはできず、ボールの破裂を心配するほど、また打球は速すぎて見えないほどの勢いがあった。しっかりとした基本に裏付けられてはいるが、天性の瞬発力の高さによる部分も大きく、ハマると圧倒的な力を発揮する強みを持つ一方で、コントロールされたボールをコンスタントに打ち続ける能力はやや不足しているのが弱みだ。また、ほとんどのショットがバウンドの落ち際で捉えて打つため、パワーはあるが相手にとっては時間的な余裕も生まれやすい。もちろん厚いグリップから巻き上げるようにして放たれる重く鋭いスピンショットが功を奏す場面もあるが、ラリーの中で相手を圧倒できるような展開を手に入れるためには、タイミングの早い打点で叩く機会を増やすことが不可欠である。

低く鋭く伸びるスライスを中心に丁寧に散らすバックハンド

 バックハンドは攻撃力よりも安定感や正確性を重視して、強打ではなくスライスを多用する。インパクト後にラケットをぴたりと止めるようなイメージのそのスライスは低く鋭く伸びていくキレのある秀逸なショットで、相手を前後左右に揺さぶる場面やディフェンス時の粘り強い返球、アプローチショットなど様々な局面で使用することから、彼のテニスを支える重要なショットといえる。とはいえ、コンパクトなスイングで繰り出すライン際への強打も質が高く、豪快なフォアを警戒してバック側にボールが集まってくると、相手の虚を突いたダウンザラインが有効な決定打として機能し始める。プレーヤー間でもやはりロディックといえばフォアのイメージが強いようで、予想に反してバックの強打が来るとバランスを崩すことが多い。

自慢のパワーを攻守に使い分けるラリー戦術

 本来彼は明らかに攻撃型のプレーヤーではあるが、そのスタイルでさえテンポの速い打ち合いを得意とするタイプではなく、自らの立ち位置も下げつつ、相手からの速い振り回しを回避する中で自慢のパワーショットによる一発を見舞い相手を震撼させてきた。近年はその土俵を守備寄りにアップデートし、パワーを継続的に使って相手を押し込む戦略的思考が前面に出ている。迫力は完全に消えたが、トップらしい強かさを身につけたロディックはさながら別人のようである。

パッシングショットも得点源の1つ

 パッシングも彼の得意とするショットで、現役ナンバー1とも言われるリストの強さを活かした鋭いスイングで、年々精度を増してきている。元々フォアのパスには定評があったが、近年はバックのパスにブロックショットというレパートリーが増えたことで、大振りによるミスの減少やコースを読まれにくいといった利点に繋がっている。

年を重ねるごとに進化するネットプレー

 ネットプレーは特別うまさがあるわけではないが、攻撃的であるがゆえにネットに出る頻度は非常に高い。以前は強引なアプローチでネットに出る傾向があったため、長短のボールを巧みに操る上位陣はこの傾向を利用して、あえて浅いボールを配球し彼をネットに連れ出して簡単にパスで抜いてきた。しかし、コナーズの指導もあってまずは機会が増加したネットプレーが、ステファンキがコーチに就任して以降は質が改善され、このような相手の罠に嵌ることも少なくなり、ラリーを続ける中で生まれる本当のチャンスではじめてネットにつくことでポイント獲得率が上がった。技術的にはフォアボレーはシンプルに強く深く、バックボレーはサイドスピンを効かせるのが特徴。一本で決まらなくとも、最後にスマッシュで豪快に叩き込む形が多い。

動きの欠点は意識改革だけで改善できる

 動きにも見逃せない欠点があり、一見追い付けそうなボールでもすぐに諦めてしまうことが少なくなく、相手にプレッシャーを与えるためには、たとえ拾えなくとも全力で追うべきだという声が強い。追いついたボールを確実に返球する能力は決して低くなく、勝負所では驚異的な粘り強さを見せることからも分かるように、フットワーク自体の問題ではないのは明らかで、意識改革1つで改善できるはずだ。

些細なことに難癖をつけ始めると黄色信号

 起伏の激しいメンタル面は個性ではあるが、どちらかといえばマイナスの作用することが目立つ要素。意外にも基本的には静かにひたむきにプレーをしているのだが、審判の判定に難癖をつけてイライラが募り、冷静さを失って自滅するパターンもしばしばあるなど、1つの小さなきっかけから崩れる傾向が強い。逆に、元々短気な彼があまり声を上げず、黙々とプレーに集中できている時は非常に怖い存在となる。

かつての痛快スタイルと近年の大人びたスタイルの融合を目指せ

 年齢的にもベテランの域に入り、それとともに約8年間維持していたトップ10からも外れてしまったため、限界説も囁かれているが、それは「今までのスタイルでは」という条件付き。上位相手であるとどうしても後手に回ってしまい、本来の攻撃力を発揮できないまま悲壮感とともに散る試合が増えてきている。依然各ショットの強さに綻びはほとんど見られないが、問題はそれらをどう活かすか。持ち前の爆発力が戦術的テニスに埋もれてしまった印象は拭えず、かつての一か八かのような痛快スタイルと近年の頭脳的な大人スタイルの融合を試みてほしい。少なくとも得意とする芝での強さは現在でも間違いなくトップクラスであるだけに、高いモチベーションを保ち、アメリカテニスを引っ張る存在としてまだまだ健在であるところをアピールしたい。

 

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