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Carlos Berlocq

カルロス・ベルロク

 生年月日: 1983.02.03 
 国籍:   アルゼンチン 
 出身地:  チャスコムス(アルゼンチン)
 身長:   183cm 
 体重:   81kg 
 利き手:  右 
 ウェア:  FILA 
 シューズ: asics 
 ラケット: HEAD Prestige MP 
 プロ転向: 2001 
 コーチ:  Juan Martin Aranguren   

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 声を上げながらコートを激しく動き回る豊富な運動量と、非常に軌道の高いスピンボールを両サイドから繰り出し続けて打ち粘るストロークで、根比べのような長いラリー戦を制しながら心身ともに優位に立って相手を追い詰めていくタフさを持ち味とするアルゼンチンのファイター。キャリアの実績、プレースタイルともに古典的なクレーコートスペシャリストと称するにふさわしく、主戦場とするチャレンジャーレベルでの幾多のタイトルはすべてクレーの大会におけるもので、クレーでの戦いに限ればトップ10級を相手にしても巧みに自らの展開に引き込んで接戦を演じる力を持っており、14年オエイラス(250)でラオニッチやベルディヒといった強豪を破ってツアー優勝を果たしている事実がそれを証明している。打球時の唸り声が大きすぎると物議を醸したこともあるが、その是非はともかく彼の泥臭さを象徴する要素の1つである。

ムーンボールに近い高軌道で遅いペースに引き込む戦術

 堅牢な守りを実現するためにベースラインから下がって応戦するストロークは際どいコースはあまり狙わず、返球の確率を重視して放たれるトップスピンが主体。高速化した現代テニスでは回転量にボールスピードを上乗せしたショットが主流となっているが、彼の場合はネット上を通過しライン際に届くまでは高い軌道で飛んでいき最後に急激に落ちる、ムーンボールに近いスピンを操るのが大きな特徴である。したがって、基本的に活躍できる環境はクレーに限定されるが、予測の良さと鋭いボールをブロックしてコースを変えるカウンター能力にも秀でるため、意外にハードコートで戦える面もある。相手とすると1つ1つのストロークを見れば、スピードはそれほどなく浅いボールも少なくはないのだが、スローペースのラリーに誘い込まれた状況では攻撃的なプレーがなかなか出しにくく、ベルロク自身に目立った隙もないため、崩し切るための明確な戦略と武器を持っていないとかなりの苦戦を覚悟しなければならない。

綺麗ではないフォームに泥臭さが凝縮したストローク

 ラケットを寝かせながら大きく引いていくテイクバックが独特なフォアハンドは、ボールの重さによって相手の自由を奪うことができる武器で、数は多くないがチャンスには長い溜めで相手の足を止めてウィナーを取ることもできる。シングルハンドのバックハンドも彼のテニスにおいて印象に残るショットで、打点に入るフットワークが安定しているとは言い難い分、しっかりと面で捉える正確性は高くないが、フォア同様に高いところを通す意図がネットミスの回避に繋がっていることに加え、インパクト後のフォロースルーを小さめにとり、時にはスイングを途中で止めることでバックアウトにもならないのが彼なりのスタイルだ。現状上半身の体幹で抑え込んでいる側面が強いところを打点へのステップを改善することで、体重が前に乗った攻撃的なショットを増やせるかという点が今後の課題だろう。フォームやテニス全体、また風貌も含めて無骨なイメージの強い彼だが、意外に小技を多用する器用さも持ち合わせており、バックの打ち合いからクロスに短く落とす精度の高いドロップショットやその後のネットを挟む駆け引きなど、打開策として自ら展開を動かして相手を攪乱する戦術を使える点も強みとなっている。

剥き出しの闘争心は若手のパワーとスピードにも屈しない

 普通なら拾えないようなボールにも喰らいつく粘り強さを生み出す要因としては球際に強さを見せる頑丈なフィジカルはもちろん、メンタルの強靭さも特筆に値し、それゆえにデビスカップや自国開催の大会でプラスアルファの力を発揮することでも知られる。綺麗なテニスとは対極に位置するようなプレーヤーだが、決して大きくはない体で闘争心を剝き出しにして魂で戦う姿勢はそれ自体が彼の強烈な個性であり、若手のパワーとスピードに屈することなく体力と技術力で勝っていくベテランとしてまだまだツアーを賑わせてくれるだろう。

 

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