Juan Ignacio Londero
生年月日: 1993.08.15
国籍: アルゼンチン
出身地: ヘスス・マリア(アルゼンチン)
身長: 180cm
体重: 70kg
利き手: 右
ウェア: Joma
シューズ: Joma
ラケット: Wilson Blade 98 (18×20)
プロ転向: 2010
コーチ: Andres Schneiter
旺盛な闘争心を前面に、フォアハンドの強打を多用したダイナミックな展開力で勝負するテニスを持ち味とするアルゼンチンのクレーコーター。20代を折り返す18年までは完全にチャレンジャーレベルに身を置く存在であり、実際に未勝利のツアーレベルではまったく名を知られていない状態であったが、19年初頭に地元プレーヤーとしてワイルドカードを貰って出場したコルドバ(250)において初勝利を挙げると、なんとその大会でツアー初優勝を飾るビッグサプライズを提供した。グランドスラム本戦デビューでバシラシュビリやガスケを下して4回戦まで進出した19年全仏を筆頭に、トップ100入りを果たして以降の活躍ぶりが彼の実力を証明しており、自分を信じて戦うことがいかに結果に影響を与えるかを改めて示したプレーヤーと言ってもいい。過去の実績を見ても、南米出身であることからも、またコート後方に位置し時間を十分に作ってひたむきにストロークの応酬に挑むプレースタイル的にも、基本的にはクレーを専門とするようなタイプだが、一方でハードコートにも意外に器用なプレーで適応して上位を相手に勝利あるいは善戦を演じることができており、今後の上積み次第では好成績も期待できる。
積極的な回り込みから波状攻撃を仕掛ける強烈なフォアハンド
目一杯力強くボールをヒットして相手を押し込むスピンの効いたフォアハンドは彼の最大の武器だ。細身かつ決して身長も高くない彼ではあるが、ラケットヘッドが落ちることなくインパクトに向かうフォームを持つため、高く弾むクレーコートで高い打点から打ち下ろすような攻撃を得意としており、特に回り込みフォアを使いバック側から逆クロス方向へ深さと角度を変えながら連打する攻撃は脅威である。また、後ろからの打ち合いになると高い確率で相手を押し下げることができることもあり、決定打としてフォアのドロップショットを選択することも多い。フォア側の守備力やカウンターの威力も備え、ほとんど隙らしい隙は見出せないほど質の高いショットといえる。
深く返球する安定感が光るバックハンド
バックハンドはフォアでウィナーを狙うチャンスが来るまで粘るショットの位置づけであり、ダウンザラインへの一撃は基本的に持ち合わせていないが、確実にクロスに深くボールを戻す安定感は十分。クロスにアングルをつけることで攻撃の起点となることもしばしばあるショットだ。壁のような返球能力をより向上させるためには、オープンスタンスで踏ん張って打つ技術の改善が不可欠であるものの、狭めのスタンスで腰を回す現状でもバランスを崩さないだけのボディバランスは身につけており大きな弱点にはなっていない。
2ndのポイント獲得率が証明するサーブのクオリティ
全体的にはかなりストロークに頼ったテニスのスタイルに見えるが、サーブもまずまず良く、とりわけポイント獲得率の高さに表れているように2ndのコントロールが光る。このサーブがあるからこそラリーで主導権を握れる面もある。フリーポイントを稼げる1stを習得できるかが今後の課題といえるだろう。
プレーの幅を広げてトップ30への躍進を目指す
コートを駆け回るスピード、ストロークのボールの鋭さ、そして何より目の前の1ポイントに執念を燃やすファイター気質と、強くなるための条件がしっかり揃っているのがロンデロであり、今までどこに隠れていたのかと逆に驚かされるプレーヤーである。ここからプレーの幅を広げることができればトップ30への視界も開けてくるはずだ。