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Horacio Zeballos

オラシオ・セバジョス

 生年月日: 1985.04.27 
 国籍:   アルゼンチン 
 出身地:  マル・デル・プラタ(アルゼンチン) 
 身長:   188cm 
 体重:   84kg 
 利き手:  左 
 ウェア:  FILA 
 シューズ: FILA 
 ラケット: HEAD Speed MP 
 プロ転向: 2003 
 コーチ:  Alejandro Lombardo  

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 アルゼンチン人らしい飛び跳ねるようなフットワークと広角へ打ち分ける能力に秀でたストロークを基盤に、スピン、フラット、スライスと多彩な球種でどんどんとオープンコートに展開する積極果敢なテニスを持ち味とする天才肌のレフティープレーヤー。09年に選手間投票でATP新人賞に輝いた過去を持ち、元々は才能豊かな若手として期待度も高かったが、現在に至るまでその主戦場はチャレンジャーであり、なかなかツアーレベルに定着できていない。それでもダイナミックな展開力がハマった時の強さは上位陣でも警戒を要するものであり、13年ビニャ・デル・マール(250)でナダルを撃破してツアー初優勝を飾った一戦は、世界へ衝撃を与えるとともにセバジョスの真の実力を示すきっかけにもなった。また、それによってフェデラージョコビッチ、マレーを除いてクレーの決勝でナダルに勝利した唯一のプレーヤーという名誉を得ている。最近では17年全豪カルロビッチとの1回戦で5時間15分、ファイナルセット22-20の熱闘を演じて敗れたことでも話題となった。当初から単複二足の草鞋でツアーを回ってきたプレーヤーであり、実績ではダブルスが上回っていたことも事実であるが、ダブルスの方に専念しつつある近年は頂点を争う強豪としての地位を確立している。19年にはメクティッチと組んでインディアンウェルズ(1000)で、グラノイェルスと組んでモントリオール(1000)でマスターズ2勝を挙げたが、それぞれ出場2大会目と1大会目の即席ペアでの優勝であり、いかに彼の基礎能力が高いうえに相方を選ばない柔軟性が傑出しているかを証明した。成績自体はクレーが最も良いものの、彼自身は他の多くの南米出身プレーヤーと異なりハードコートが好きと話すこともある。

攻守のメリハリと一撃の切れ味が武器のフォアハンド

 左利き特有の懐の深さと巻き込むようなしなやかなスイングがコースの読みにくさを生むフォアハンドは、スピン量とショットスピードのバランスが整っており、攻守両面で彼のテニスを支えている。リーチの長さを駆使して走りながら遠いボールを処理する場面では軌道を上げて体勢を立て直し、構えて打てる際には比較的コンパクトなテイクバックながらしっかりと溜めを作ってボールを引き付け、左右のコーナーへ鋭く打ち分ける。ベースラインを境にした攻守のメリハリが光り、守るべき時にはじっくりと粘り、チャンスを待ってコート中央からフラット系の逆クロスやスピン系のクロスで攻撃のスイッチを入れるその一撃の切れ味が彼の最大の武器となっている。また、精度の高いドロップショットも武器の1つで、激しいラリーの中に変化をつけるタイミングが絶妙だ。

アングルショットやスライスの技巧が際立つ片手バックハンド

 フォアにも増して鞭のような独特なスイングから繰り出されるシングルバックハンドも、ラリーの組み立てからポイントを奪うショットまで幅広く備えた武器となっている。基本となるクロスコートが特徴的で、ボールを外側から削るように捉え、相手コートのサービスライン付近にバウンドさせることで、大きな角度をつけて相手に長い距離を走らせる。一方で、予測していないタイミングで強烈なダウンザラインを打ち込むこともあり、鮮やかに決まるウィナーも多い。全体的にスイングの軌道はアウトサイドイン、すなわちクロスに引っ張るように見えるため、ライジングでストレートを突かれると相手としては反応できない。課題はフォアに比べるとテイクバックが大きい分、ある程度構える時間が作れないと打点が詰まってミスになったり、力のない返球が甘いコースに行ったりという傾向が見られる点。とはいえ、相手の攻撃をブロックするスライス技術も高く、形勢を戻したり時にはサイドラインに沿って低く伸ばす攻撃的なスライスを使ったりと、多様な球質で応戦できるバックは総合的に安定していると言っていい。

大きく体を捻ってコースを隠すサーブ

 相手コートにお尻を突き出すような構えが目を引くサーブも左利きの有利さを存分に活かした要素となっている。大きく体を捻ることでコースを読みづらくさせ、また膝のバネを十分に使うことでパワーを出しており、これらによる高さと角度を強みとしてスライスとスピンを確実に打ち分けることで相手を苦しめる。

ダブルスで掴んだ自信をシングルスに還元できるか⁉

 なかなかブレイクしきれないキャリアが続いているが、トップ100を行き来しているのが不思議に思えるほどテニスのレベルは高い。リターンがあまり得意でないため、時折それが淡白な戦いぶりに映ることもあるが、ストローク戦ではトップとも互角に渡り合える強さもあれば、ネットプレーなどを駆使して展開を掻き回すうまさも発揮している。ここ最近は若手のパワフルなテニスに押される試合が散見されるようになっているものの、オールラウンドな戦術と技術で勝負するレフティーというのは意外に貴重な存在であり、手の届くところに来ているダブルスでのグランドスラム優勝に全力を傾注する姿勢は尊重しつつも、そこから自信を還元する形で再びシングルスにも活躍の場を広げてくれることを大いに期待したい。