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Taro Daniel

ダニエル太郎

 生年月日: 1993.01.27 
 国籍:   日本 
 出身地:  ニューヨーク(アメリカ)
 身長:   191cm 
 体重:   84kg 
 利き手:  右 
 ウェア:  Mizuno 
 シューズ: Mizuno 
 ラケット: Babolat Pure Drive 
 プロ転向: 2010 
 コーチ:  なし 

 ベースラインから大きく離れた位置に構え、脚力を活かした広範なコートカバーリングとトップスピンの頑強なストロークで辛抱強くラリーを続ける中でチャンスを作り出して決める、日本人の典型的なプレースタイルとは一線を画するテニスを持ち味にトップレベルへの定着を目指す日本期待のプレーヤーの1人。アメリカ人の父親と日本人の母親を持ち、また世界レベルへの飛躍を求めスペインに拠点を移して自らのテニスをビルドアップしてきた国際色豊かなプレーヤーであるが、そうした多様なバックグラウンドの中で多くを吸収しつつも人格的には逆に「我が道を行く」強い信念が育まれ、軸がぶれることなく着実に実力の向上に取り組んできた結果、やや遅咲きながら20代半ばに来てツアーレベルでの活躍が定着化し始めた。特に18年はインディアンウェルズジョコビッチから大金星を挙げて自信を掴むと、イスタンブール(250)では得意のクレーコートでツアー初優勝を成し遂げた。この週は元々別の大会の予選にエントリーし実際に現地入りしていたが、イスタンブールで本戦出場権獲得の報せが入ると急遽ヨーロッパ大陸を横断した。小さなきっかけにも常に可能性を見出そうとするダニエルらしいエピソードは今後も語り継がれるはずだ。

粘り強さを最大の持ち味とする安定性重視のスタイル

 彼のテニスの最大の持ち味である粘り強さを根底から支えるストロークは、自ら強引に攻撃することは極力回避し、状況を見極めてじっくりと守りから攻めに転じるスタイルを基軸とする。その中で光るのはネットの非常に高いところを通しながら相手コートの深い位置にボールをコントロールする安定感であり、好調時はベースライン際で急激に落ちる球威のあるボールに相手が差し込まれる場面が頻発する。また、常に徹底してクロスへ返球するのが1つの特徴で、展開の速さで振り切られない秘訣だ。

軌道の高いトップスピンでしつこく食らいつくフォアハンド

 最近ラケットを後方にまっすぐ引くコンパクトなテイクバックに変更したフォアハンドは、しつこく食らいつくロングラリーを実現するうえでベースとなるショットである。やや当たりが薄く背中側に体重を残す打ち方である分、一撃でウィナーを奪えるほどのキレには乏しい面があるが、どんな状況でも確実にボールを下から擦り上げ、打ち合いのペースを制御する中で徐々に角度をつけていき相手の疲労を誘う。この軌道の高さと遅めのテンポが非常にいやらしく、相手としてはドロップショットを交ぜない限りポイントを取れないような苦境に陥る。

滑らかな展開能力も持ち合わせるバックハンド

 コンパクトなスイングで捉えるバックハンドも同様に基本は回転を多くかけて一球でも多く返球することを重視する。深いボールに対してしっかりと膝を折って低い姿勢で対処するのがミスの少なさを生んでいる。加えて、フォアにはない踏み込んで叩く能力も持ち合わせ、ストレート方向への攻めの展開でより機能するショットといえる。

ポジションを上げて積極的に攻撃するスタイルを模索中

 守備力の高さを武器とするプレーヤーであることは変わらないが、戦いのステージを上げるにつれポジションを上げ、自ら仕掛けるスタイルの必要性を自覚するようになり、ここ最近は積極的な回り込みフォアによるハードヒットやコース変更に、ドロップショットやネットプレーなど以前にはなかった多様なパターンを試しながら習得しており、主導権を握って自分から攻撃してポイントを掴み取る意識が際立っている。

年を経るごとに各球種に進化が見られるサーブ

 長身でありながらそのアドバンテージを活かしきれていないサーブは大きな弱点で、トップレベルでは容易にブレークを許し実力差以上に試合展開を離される原因となっている。クレーコーターらしく元々エースを狙うタイプでないとはいえ、パワー・確率・正確性のすべてにおいてまだまだ改善が必要。サーブとリターンの駆け引きの結果が中立化され、ストローク戦が始まってしまえば誰を相手にしてもほぼ対等に打ち合えているだけに、サーブ+3球目の処理に強化の焦点を絞りたい。ただし、叩かれないスピンサーブは特に十分な質の高さを見せており、またトスの位置によってコースと球種が比較的分かりやすいとはいえ左右に打ち分けるスライスとフラットの威力はかなり増しているなど、年を経るにつれて確かな進化も見られる。引き続きサービスキープ力の向上を図っていきたいところだ。

長所を伸ばし短所を改善する地道な姿勢で着実にステップアップ

 決して天才肌ではなく性格的に勢いに乗って一気に大ブレイクを目論むというタイプでもないが、現実を直視し自分で考えながら長所を伸ばし短所を改善する地道な姿勢が着実にステップアップに繋がっていることは間違いない。ナダルジョコビッチ、バブリンカといった強豪とも互角に渡り合うところも見せており、デビスカップでは日本チームを引っ張る存在として頼もしさも出てきた。今後の更なる躍進を大いに期待したい。