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Tommy Haas

トミー・ハース

 生年月日: 1978.04.03 
 国籍:   ドイツ 
 出身地:  ハンブルク(ドイツ)
 身長:   188cm 
 体重:   84kg 
 利き手:  右 
 ウェア:  SPORTKIND 
 シューズ: adidas 
 ラケット: HEAD Prestige MP 
 プロ転向: 1996 
 コーチ:  Christian Groh    

f:id:Kei32417:20201220134155p:plain スピン量が少なめの高速系のストロークを軸に、チャンスでは積極的に前に出て勝負する攻撃的なテニスを持ち味とするドイツのベテランプレーヤー。デビュー当初からトップ10級を下す金星が多く、99年に全豪でベスト4、メンフィス(500*)でツアー初優勝を飾った頃には将来の王者候補と期待され、00年シドニー五輪では銀メダル獲得、またシュツットガルトでのマスターズ初タイトルを含む01年後半から02年前半にかけての勢い溢れる活躍で最高2位を記録した。その後は右肩の故障と常に隣り合わせの苦しいキャリアとなり、2度に亘って1年以上の休養を強いられてランキングを失ったが、その度に華麗な復活を遂げてきた。ATPのカムバック賞を複数回受賞したことがあるという事実が怪我に泣かされるキャリアを象徴しているが、長い離脱期間のおかげか精神的な若さを保てているようで、シングルスで活躍する現役プレーヤーとしては最古参の1人ながら、今もなお闘志を失わず戦い続けている。サーブ&ボレー全盛時代から現代のストローク有利な時代の移り目を経験してきただけあり、すべての技術に総合的に秀で、ゆえにプレーの引き出しが非常に多い、正真正銘のオールラウンダーである。長いラリーの中で相手を崩していく術も多数持っているが、基本的にはサーブあるいはリターンからの早い仕掛けで優位に立って、一気にポイントの締めまで持っていくスピーディーなテニスが持ち味。そのために必要となるライジングの技術や素早いフットワークも十分に備えている。複数のリズムで戦える懐の深いテニスを持ち、特に緩急の使い方がうまくいっている時は、誰が相手でも非常に危険なプレーヤーと化す。特定のサーフェスに苦手意識はなく、その環境に合わせてプレーを変えられる高い技術力を持つが、彼の能力が最大限に活かされるのは芝である。

バックのスライスを駆使した巧みなラリーメイクは必見

 無駄な動きがないシンプルで美しいフォームから放たれるシングルバックハンドは、多彩なプレーのベースとなる大きな武器であり、早いタイミングで捉えて軌道もあまり上げず、バウンド後も含めた打球の伸びで相手を押し込むショットを得意とする。中でもあらゆるタイミングから繰り出すバックのダウンザラインは完成度の高いショットで、攻撃面では最も目立つ武器であるが、それを打つ展開にもっていくまでの自在なラリーメイクにこそ彼の真骨頂が表れる。フォアハンドも含めて、持ち球自体はフラット系のオーソドックスなタイプだが、それらを絶妙に配合することで相手を崩していく。とりわけ当たりの厚いバックのスライスで相手に低いところで捕らせて浮き球を誘い出すうまさがツアーでも群を抜いている。スライスで低いボールを使いつつ、同時にテンポも上げられるのは彼だけの強みだ。また、バックからのドロップショットの質も一流で、極めて高い決定力を誇る。完全に1つのパターンとして確立しており、特にクレーでは多用するが、読まれることは少なく、たとえ読まれてもコースが厳しいため相手にとってのチャンスボールにはなりにくい性質を持つ。フォアは常に強いインパクトを確保して、鋭く重いクリーンなボールを打ち込む。逆クロス方向へのコース取りを多用する特徴があり、このフォアが深く入っている時はよりバラエティーに富んだバックで自由に展開していけるというメリットに繋がり、主導権を握れていることが多い。逆に、フォアの精度が落ちてきた時に、彼のプレーが乱れていく傾向にある。また、必死で打ってくる相手にはテンポをコントロールして試合を支配下に置いてしまうのだが、逆に相手にリズムを崩されると生来の負けず嫌いな性格から来る自滅癖が顔を出すことも。

多様なネットプレーと高いボレー能力

 ネットプレーのうまさも抜群で、彼の攻撃的なテニスに欠かせない要素となっている。厳しいパッシングにも鋭い反応とパンチ力と柔らかさを兼備するタッチセンスで相手を翻弄する。またネットへのつき方が特徴的で、浅いボールに対してアプローチを打って前に出るのはもちろん、サーブ&ボレーやリターンダッシュも積極的に取り入れるなど、常にネットを窺う姿勢は相手に大きなプレッシャーを与えている。

片手バックの中では最高のリターン技術

 リターンの攻撃力も大きな武器の1つで、200km/hを超えるような高速サーブにも一瞬で面を合わせてボールを押さえたり、2ndに対するリターンは常に前に踏み込んで攻撃していく姿勢を見せるなど、片手バックのプレーヤーの中では最高レベルのリターン技術を持っている。特にバックの高い打点から叩く技術が際立ち、リターンエースや意表を突いたネットラッシュに繋げている。

高速テンポの中で硬軟を自在に操る圧巻の技術力

 時折起こすアップセットがアップセットに見えないのが彼の本当の凄さであり、それは単なる勢いや相手の不調によるものではなく、完全に相手と組み合ったうえで打ち勝ったという側面の強い試合だからである。このことは、正確なフットワークを使ってフェデラー並のテンポの速さで戦いつつ、硬軟を自在に使い分けられるという彼特有かつ最大の強みが、トップレベルでもいかに突出しているかを証明している。課題といえば、それは意外にも若さといえるか。元々異常なまでの完璧主義者かつ気性の激しいプレーヤーで、試合中に癇癪を起こすタイプでもあったのだが、今もそれが治り切ってはいない。それでも大ベテランになってからトップ10を窺う位置までランキングが上昇したのは、好調が大会あるいは時期単位で長く続くようになったからであり、その強みは精神的に成熟した証ともいえる。

何度でもカムバックを目指す不撓不屈の精神

 同世代が次々と一線を退いていく中、35歳を過ぎたハースにも当然のことながら“引退”の二文字が常に付き纏い、14年半ば以降再び長い戦線離脱となっており、復帰を疑問視する声も少なくない。しかし、彼自身何度手術をしてでもコートに戻るという意志は固く、まったくその気を見せていない。故障のたびに見事なカムバックを見せる不屈の闘志も後押ししてか、世界的に人気の高いプレーヤーであるだけに、今後もテニスファンの記憶に残るプレーを少しでも長く続けてほしいものだ。

 

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