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Nikolay Davydenko

ニコライ・ダビデンコ

 生年月日: 1981.06.02 
 国籍:   ロシア 
 出身地:  セベロドネツクウクライナ
 身長:   178cm 
 体重:   72kg 
 利き手:  右 
 ウェア:  asics 
 シューズ: asics 
 ラケット: Babolat Pure Drive 
 プロ転向: 1999 
 コーチ:  Eduard Davydenko    

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 予測の良さや素早いフットワークを活かしてほとんどすべてのボールをライジングショットで処理する「超高速テニス」でストローク戦を制する、他に類を見ない攻撃的なプレースタイルで長きに亘ってトップに君臨するツアー屈指のストローカー。05年の全仏でベスト4に入り彼の全盛期が幕を開けると、以降安定した成績で約5年半トップ10を維持し、その中ではジョコビッチナダルのトップ2シードを破った09年上海マスターズ(1000)の優勝や、ロンドンに会場を移した同年ATPツアーファイナルズでは誰も太刀打ちできないほどの爆発力を発揮してキャリア最大のタイトルを獲得するなど、フェデラーナダル2強時代にNo.3の座についていたプレーヤーとしてグランドスラムやマスターズでも上位の常連という位置づけであった。ボールを捉えるタイミングの早さは間違いなく現役ナンバー1で、ラリーのペースを握った時の畳み掛けるような連続攻撃が最大の魅力である。体格や見た目の穏やかな印象とは裏腹に、年間出場大会数が他のトッププレーヤーよりも多い点から、“鉄人”と称されることもある。また、ナダルとの相性が良く、対戦成績で勝ち越している数少ないプレーヤーの1人である。体格的に日本人と共通する点を持っていることから、彼を日本人プレーヤーの模範に推す声も少なくない。ベースライン付近での俊敏なフットワークを駆使したテンポの速い打ち合いを好む分、最も得意なサーフェスは高速系ハードコートだが、実績が示す通りクレーでも質の高いプレーができる。ただし、強く踏みしめるステップによる方向転換が制限される芝はまったくの門外漢といったところで結果を残せていない。

ライジングで魅せる「精密機械」ストローク

 精密機械とも称される正確無比なテンポの速いライジングのストロークは彼の最大の武器で、フォアハンド、バックハンドともに低い打点ではスピン系を、高い打点が取れた時にはフラットドライブ系を使うが、そのいずれもあくまで攻撃のショットという位置づけであり、非常に厳しい角度へのアングルショットを得意とする。長いラリーが続くと、ボールとのタイミングが徐々に合ってきて、攻撃のペースがどんどん速まっていくのが大きな特徴である。そのため、相手プレーヤーは途中でスライスを交ぜる、長いラリーを避けるため早めのネットプレーで勝負に出る、前後に揺さぶりをかけるなど、あの手この手でペースを乱そうとするケースが多く見られる。普段は自分のテニスに集中するプレーヤーも、ダビデンコが相手となると工夫を凝らさざるを得ない。中でもバックのクロスは組み立ての軸となるショットで、深さのあるショットや鋭角のショットなどで相手を揺さぶり、広く空いたオープンコートへ決める展開を得意とする。また、ベースライン内側から放ったショットがオープンコートに深く切り返された際に、サイドステップを使って斜め後ろに下がりながらもう一度ハードヒットで切り返すフォアの反撃ショットは天下一品であり最大限の警戒を要する。自らラリーのペースを落としたり、スライスによる揺さぶりをかけることはほとんどしないため、とりわけトップとの対戦では慣れられると次善の策がなくなるという積年の課題はあるものの、それも彼の個性であり一貫したスタイルと見る方が適当だろう。

凡庸な技術を果敢な姿勢で補うネットプレー

 一見してすでに危うい両手打ちのバックボレーに代表されるように、瞬時の反応から繊細なラケットタッチが必要となるプレーはあまり得意ではないが、これまでに格上と戦った試合では、積極的にネットに出てボレーで決める形で数々の勝利を収めてきている。技術的には凡庸であるものの、ネットプレーに持ち込むまでの展開で大きく優位に立てるため、簡単な処理でポイントを取れるのがその要因だろう。それでも、何度ミスをしても前への姿勢を貫く心の強さは特筆に値する。また、ドライブボレーの正確さは達人級で、中ロブ気味に浮いてきたボールをフォア、バックに関わらずバウンドさせずに打ち込むことができる点は、相手に大きなプレッシャーを与える。

動きの素早さと重心の低さが強さの源

 足の速さや方向転換の性能に優れたフットワークも魅力の1つで、打点への入り方に無駄がない。それに加えて、下半身が強く、体幹がしっかりしており、常に膝を曲げた状態で打てるため、ショットの安定感にも繋がっている。これらの要素が高いポジショニングからのライジングを軸とした「超高速テニス」を可能にしている要因である。

サーブとリターンも上位らしい手堅さ

 小柄で線も細い体格でありながらサーブは最速で210km/hを超える。大きな上体の反り戻しを高速で行うことでキレを生み出すクイック気味のサーブであり、基本的には1stの高い確率が長所といえるが、試合によってはエースを連発していく能力も持っている。また、リターンの強さもツアー屈指を誇り、関連スタッツでは常に上位に名前が登場している。サーブの相当な球威を体勢を崩しながらでも受け止めて鋭い返球に転換するうまさはストローク同様である。ダビデンコを語るうえでは一にも二にもストロークであることに異論はないが、この弱点にならないサーブと武器のリターンも忘れてはならない。

いまだに改善されない勝利目前での硬さ

 彼のテニスにおいて技術的な穴は少ないものの、多くの重要な試合で完全なリードを奪い、勝利目前という状況から逆転されるといった苦い経験をこれまでに幾度となくしている。以前から懸念されていたことではあるが、メンタルの部分で硬くなってしまう癖がいまだに改善されていない。

以前のスピードと気迫を取り戻して再びツアーの主役に!

 近年はハングリーさを失いつつあるのと、年齢から来る故障が原因で低迷しているが、能力的な衰えはそれほど見られず、決して軽視していい存在ではないのは確か。強烈なインパクトを残した09年ATPツアーファイナルズの時のようなスピードや気迫を取り戻せば、再びATPツアーを掻き回す存在となれるだろう。

 

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