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Cameron Norrie

キャメロン・ノリー

 生年月日: 1995.08.23 
 国籍:   イギリス 
 出身地:  ヨハネスブルグ南アフリカ
 身長:   188cm 
 体重:   82kg 
 利き手:  左 
 ウェア:  K-SWISS 
 シューズ: K-SWISS 
 ラケット: Babolat Pure Strike (16×20) 
 プロ転向: 2017 
 コーチ:  Facundo Lugones    

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柔らかいスイングやタッチで操る独特なストロークで確実に相手を左右に振り回す能力とそれを実践する粘り強さを持ち味とするレフティーのベースラインプレーヤー。現在はイギリス国籍であるが、ジュニア時代の16歳まではニュージーランドを背負ってプレーしていた。18年初頭に代表に初選出されたデビスカップで格上のバウティスタ・アグートをフルセットで下して自信を掴むと順調に50位付近までランキングを上昇させた。そして、COVID-19の影響で約半年ツアーが中断した間にしっかりと力を積み上げてきたことが、鮮烈な成績を残した21年の活躍により明らかとなった。クレーコートのリヨン(250)でティームを撃破したり、芝のクイーンズ(500)で準優勝を果たしたことも十分に特筆に値するが、何と言ってもシーズン終盤の秋開催となり混沌と化したインディアンウェルズ(1000)で圧倒的なパフォーマンスを披露してマスターズ初優勝を成し遂げたことはあまりにも大きなサプライズであった。これにより一気にトップ10を窺う位置まで地位を高めている。元々は華奢な体型で非力なプレーヤーだったが、今やがっしりとした上半身をはじめルックスは精悍に、テニスもスケールが大きくなり、イメージがガラリと変わった。ハードコートを得意とするが、鋭い予測力や早い準備といった基礎が固まっている分、クレーや芝への適応も全く問題がない。

独特な感性でラリーを支配する

 ボールを優しく舐めるようなインパクトと腕がしなるスイングから繰り出すフォアハンド、飛んでくるボールの軌道の延長線上に両腕を一直線に伸ばしてラケットを小さく引きコンパクトにブロックする両手バックハンド。ストローク戦では両サイドから非常に独特な感性を持った差異の大きなショットで応戦する。フォアのループ軌道とバックの低弾道でラリーの基本となる両対角線を支配し、相手のプレーの選択肢を潰して予測力を高め、機を見て自らウィナーも奪う。これがノリーのテニスである。

コースを愚直に打ち分けるスピン系のフォアハンド

 フォアは不用意に振り上げスイングを使わないのが彼の良さであり、リズミカルなフットワークと球際での体幹の強さがそれを可能にしており、トップスピンを多くかけた高さのある打球を駆使して無理せずにコースと深さを愚直に打ち分けていく。決して速いショットではないのだが、それだけに相手としては走らされる感覚の強い、いやらしい球種といえる。チャンスに踏み込んで叩き落とすショットやクロスラリーで優位を作った後のストレート展開の切れ味を磨くことがフォアにおける強化ポイントになってきそうだ。

無回転系の低弾道を打ち続けるバックハンド

 バックは膝を深く追って低めの打点から跳ね返すタイミングの早さとバウンド後に滑って伸びるような低弾道の無回転系の球種によって、こちらもスピードは遅めにもかかわらずしばしば相手が差し込まれるショットになっている。クロスの角度を狙いあう勝負に強く、チャンスを見極めてサービスラインより手前に落ちるような鋭角にフラットで返すショットはまさに針の穴を通すコントロールである。加えて、甘い返球にはコートの中に入って自発的にダウンザラインや逆クロスへ流し込んでウィナーにしたりネットプレーに繋げる攻撃のショットも備える。バック側は厳しいボールに対応した際にやや体が外に流れる傾向があったり、高い打点で伸び上がって打たされると精度が落ちる場面は見られ、柔軟な対応力をさらに向上させることが課題になるだろう。

大きく横に曲がるスライスサーブで戦術に徹する

 戦術遂行力の高さはサーブにも表れる。適度に速いフラットサーブを交ぜて相手に意識させつつ、あくまで配球の主体は左利き特有のスライスサーブを貫く。170km/h前後の大きく横に曲がる球種であるが、1stの高い確率にも寄与するこのサーブに対してある程度前に入って対応できないとどんどんノリーの思う壺に嵌っていくことになる。とはいえ、更なる躍進のためには、フリーポイントを奪う力の習得やダブルフォルトを減らすことなど、サーブの総合的な改善・強化は必要である。

堅実な基礎にパワフルさが加わり充実期を謳歌する

 あらゆるタイプの相手に的確な戦略で臨む堅実さ、頻繁に自らを鼓舞する声を上げる闘志、自分からのミスを極力出さずに左利きらしい立体的な組み立てを見せるプレーの安定性、そこに最近は足りなかったパワフルさも加わってきたことで充実期を謳歌する。サーブの返球率が高くリターンゲームは相手に大きなプレッシャーを与えており、サーブの威力を上げてサービスゲームに強さが見られてくるとトップ20定着からその上も狙える。派手なショットはないものの、彼特有のショットやパターンを多数持った曲者プレーヤーとして今後さらに存在感を増してくるはずだ。