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Maxime Cressy

マキシム・クレッシー

 生年月日: 1997.05.08 
 国籍:   アメリカ 
 出身地:  パリ(フランス)
 身長:   198cm 
 体重:   84kg 
 利き手:  右 
 ウェア:  adidas 
 シューズ: New Balance 
 ラケット: Babolat Pure Aero 
 プロ転向 : 2019 
 コーチ:  Romain Sichez, Juanjo Climent 

 長身から放たれる威圧的なビッグサーブと猛然とネットへのラッシュをかけボレーで仕留めるプレーを武器とするアメリカのサーブ&ボレーヤー。苦労を重ねながら大学テニスで実力の基盤を整えたうえでプロに転向すると、22年にブレイクの時期を迎える。年頭のメルボルン(250)で予選から快進撃を見せて決勝に、直後の全豪では4回戦に進出する活躍でトップ100の地歩を固めると、最も得意と話す芝のシーズンに一層の強さを発揮、ウィンブルドンではトップ10のオジェ・アリアシムを破る番狂わせを起こし、ニューポート(250)ではツアー初優勝を達成している。クレッシーの台頭がATPツアーに新風を吹かせた理由はやはりそのプレースタイルにある。ベースラインでの攻防が大半を占めるようになった現代テニスにおいて、サーブ&ボレー一筋、サービスゲーム以外でもネットプレーをほとんど唯一の得点源とするプレーヤーが現れたこと、そしてそのプレーヤーがしっかりとトップレベルで結果を残していることが非常に新鮮であり、彼自身サーブ&ボレーの復権を牽引したいとの思いを述べている。

1stと2ndの別なくパワー全開でエースを量産するサーブ

 198cmの長身を活かして高い打点から叩き落とすサーブは彼の最大の武器である。しっかりと体を捻るフォームであるためコースが読みづらく、両サイドともにセンター・ワイドに200km/hを優に超える威力あるサーブでエースを量産する。1stと2ndの別なく常にパワー全開でライン際を狙う姿勢もリターナーに脅威を与える特徴である。その裏返しでダブルフォルトの数がツアーでも断トツで多い事実はあるものの、サーブ後にラリーに移行する意図が皆無で、すべてボレー対パスの勝負を挑む彼にとって、サーブミスによるダメージはそれほど大きくないといえる。実際、エースの数が大幅に上回り、及第点である1st確率60%以上や十分に高い2ndのポイント獲得率を実現している点を見ても、取り立てて弱点と指摘すべき要素ではない。

オープンスペースに強く弾く切れ味鋭いボレー

 そしてサーブとのコンビネーションでポイントを積み重ねるネットプレーがもう1つの代名詞となっている。回転をかけて繊細にコントロールするというよりは、オープンスペースに向かってシンプルに強く弾く切れ味鋭いクラシカルなボレーを打てるため、パワーサーブとの相性も良い。サービスダッシュ、リターンダッシュストローク戦になりかけても強引にでも早めに切り上げてネットに詰める姿勢は相手に心理的な窮屈さを与える。足元に沈められたボールの処理にも欠点はないのだが、あと一歩足が出ればノーバウンドで決定打となるボレーが打てそうな場面で躊躇することがあり、ハーフボレーでの対応を増やし過ぎる傾向が少し見られる点は要改善の課題だろう。

一発の怖さはあるも技術的な未熟さは否めないストローク

 ベースラインでの戦いは全般的に苦手にしている。反応や動きに鈍重さが否めず、また打点直前のフットワーク調整に難があるため、十分に追いつけたボールに対してもアンフォーストエラーを出してしまう。薄めのグリップから回転量が少なく弾道の低いスピードショットを繰り出すフォアハンド強打、返球重視の緩いスライスで粘りながら万全の体勢を確保できたときにのみ放つバックハンド強打は、それぞれ一発の怖さがあるものの「当たれば強い」の域を脱してはいない。もちろんストロークはあくまでネットに移行するまでの急場凌ぎに過ぎないが、であればこそトップ定着のためには安易なミスを減らす方面で強化していきたい。

要所での一撃に賭けるギャンブル的なリターン

 ストローク以上に一撃で優位を奪う志向が強いのがリターンである。1stに対してベースライン上、2ndに対して1m以上コート内側に踏み込んで積極的に叩く選択をとる。リスクは大きく効果的なリターンを打てる確率は低いが、タイブレークなど要所で1つ通った時のインパクトは大きい。典型的なビッグサーバーの戦略と言っていいだろう。

純正サーブ&ボレーヤーとして茨の道を往く

 強烈なサーブをはじめとするビッグショットで押し込みネットで仕留めるスタイルを貫き、さらに進化を追求する姿勢は非常に清々しい。華麗さというよりも良い意味でアメリカンな剛健さが前面に出ているのも魅力といえる。カウンター能力に総じて秀でるトッププレーヤーたちの間で純正サーブ&ボレーヤーとして今後トップ20以上を目指すのは茨の道だが、いずれにしても強い信念と大きな野心を持って突き進む彼の姿からは目が離せない。