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David Nalbandian

ダビド・ナルバンディアン

 生年月日: 1982.01.01 
 国籍:   アルゼンチン 
 出身地:  コルドバ(アルゼンチン)
 身長:   180cm 
 体重:   79kg 
 利き手:  右 
 ウェア:  Topper 
 シューズ: Topper 
 ラケット: YONEX VCORE Tour 97 
 プロ転向: 2000 
 コーチ:  None   

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 ライジングの速いテンポで展開する攻撃的なストロークと卓越したリターン力を武器に、2000年代初頭から活躍を続ける元No.3プレーヤー。デビュー当初は「フェデラー・キラー」として知られるとともに、彼にも劣らぬ才能豊かな稀代のオールラウンダーとの高い評価を受けていた。初出場でファイナリストに輝いた02年ウィンブルドンや、05年マスターズカップ決勝で当時無敵を誇っていたフェデラーを2セットダウンから逆転で破り優勝したのが、テニスファンの記憶には深く焼き付いているが、すべてのグランドスラムでベスト4に進出したことがあるなど、最も強かった時期は成績の安定感も際立っていた。加えて、07年の彼の活躍が非常に印象的で、怪我の影響で凋落傾向にあったシーズン前半から一転、終盤になるとマドリードで準々決勝以降トップ3のナダルジョコビッチフェデラーを立て続けに一蹴しセンセーショナルな優勝を果たすと、続くパリでもフェデラーナダルを含むトップ20圏内のプレーヤー5人を撃破する圧倒的なパフォーマンスでマスターズ2大会連続優勝を成し遂げた。近年は個人戦よりもデビスカップでアルゼンチンを世界一に導くことに傾倒しており、ある程度のランキングを維持するためだけにツアーに出ている雰囲気さえある。しかし、1つの大会の中でも次々と強豪を倒す力を実績でもって示しているように、彼の波に乗った時は誰も太刀打ちできない強さを見せる。それは大味なプレーヤーがたまたまハマった日に見せる強さとはわけが違う、正統なテニスの中で伸びやかなショットがすべてラインを射抜いてくるというものであり、ランキングを落とした現在でも上位陣が恐れ戦く存在である。今や各大会の迷惑ノーシードの筆頭となったが、過小評価してもトップ30の力はあると見るのが妥当だろう。自宅にあるセメントのコートで育ったため、得意とするサーフェスは速いハードコートであるが、苦手なサーフェスはなく、高い技術力でどんな環境にも難なく適応する。また、プレーは常に冷静沈着な彼だが、やや頭に血が上りやすい性分が災いすることもあり、同年代のヒューイットや同胞のデルポトロとの不仲はよく知られた話である。不名誉ではあるが彼の名を聞いて思い出してしまうのは、12年クイーンズの決勝でブレークを許した苛立ちからコート内の看板を蹴り飛ばし、その破片で線審に裂傷を負わせてしまい失格処分になった出来事だ。

高速かつ正確に打ち分ける拷問のようなストローク

 ベースラインからのストロークはフォアハンド、バックハンドともにフラット系の低く鋭いショットをインパクトの感覚で左右に高速かつ正確に打ち分ける。体格も含めて決してパワーのあるプレーヤーではないが、ボールに対して素早く静かにすり寄るフットワークと、自分の力というより相手のショットの力やスピードを利用しつつコースを自在に変える出色の技術力が魅力で、相手とすれば懸命に打っているにもかかわらずそれが仇になる苦しさがある。無駄のない動きや癖のない球筋、ナルバンディアンのテニス自体は非常に優雅な一方で、対戦相手の感覚はさながら拷問だろう。持ち前の展開力で優位に立てば、前に詰めて決める場面も多く、ネットプレーの判断や技術にも隙はない。

当代最高の評価にふさわしい美しい両手バックハンド

 ツアー随一の決定力と安定性、それに加えて美しさを誇る強力なバックは彼の最大の武器である。体軸や頭の位置がまったくぶれず、ラケットヘッドだけが鋭く返る柔軟かつ再現性の高いフォームから繰り出され、高速の打ち合いで相手をベースラインに文字通り釘付けにする中で、クロスには信じられないような厳しいアングルに平然とコントロールし、またどんなタイミングからでもどんな球種に対しても鮮やかにダウンザラインへと切り返してウィナーを連発する、まさしく脅威のショットとなっている。両手打ちながら片手打ちのごとく流れるように滑らかな打ち方ができるプレーヤーは、彼を除いては後にも先にもそう多くはいないだろう。鋭いスライスを左右に散らす感覚も申し分なく、ダウンザライン強打という伝家の宝刀をここぞの場面で抜くための展開作りにも余念がない。クロス方向へのブレーキの効いたドロップショットを放つパターンも数多く見られ、ストローク戦に気を取られた相手は反応が遅れるうえ、厄介なのは決してドロップ一本でのウィナーを狙っておらずネット際の接近戦でポイントを奪いに来る点。駆け引き上手でタッチにも長ける彼の隠れた武器と言っていい。

低弾道のフラットショットで仕留めるフォアハンド

 シンプルなテイクバックから真っ直ぐボールを捉えるフォアもバック同様にクリーンにボールを打ち抜く能力が非常に高い。常にハードヒットというよりは、様々な回転やコースを使いながらオープンコートを空けて最後に低弾道のフラットショットで仕留めるのが彼の形で、どんな状況下でも理詰めのプレーができるのが大きな強みである。高い軌道の重いトップスピンは手札にないが、いかなる環境でもテンポの速さと正確性で勝負する彼にとっては無用の長物と言って差し支えない。また、ラリーの中での戦略性の高さも光り、バックのクロスコートを嫌がった相手が渾身のストレートを放ってくるのを待ち構えてクロスに切り返すカウンターショットでポイントを奪うことも多い。

相手に恐怖心すら植え付ける攻撃力抜群のリターン

 リターンにおいても最高レベルの技術を備えており、大きな武器の1つである。ハードヒットとスライスを使い分けるが、コースが甘くなることは少なく、常に深くベースライン際にコントロールして、一気に自分の展開に持ち込むことができる。特に2ndに対するリターンは圧巻で、大きくベースライン内側に入り込むことで相手の時間を奪い、かつサーブのペースを落とさずに強烈なボールを打ち返すリターンに対して、相手は恐怖心すら植え付けられる。時折相手の意表を突くリターンダッシュを試みるなど、リターンからの攻撃の展開も多彩である。サーブがトップレベルで比較するとスピードやコースなどの点でやや劣っておりブレークを許しがちであるが、その分をリターンの強さで帳消しにしている印象だ。

才能に不釣り合いな脆い精神力が最大の弱点

 冷酷な目で睨む殺し屋、定めた標的は絶対に外さない狙撃手。ゾーンに突入した時のナルバンディアンが相手を無慈悲なまでに叩きのめす姿はそうしたイメージを抱かせる。だが一方で、勝利目前で崩れる脆さがあったり、流れが悪くなった時に踏ん張る忍耐力が欠如していたり、特大の才能に不釣り合いな精神力が弱みとなってきた面も指摘せざるを得ないだろう。

技術とセンスで魅せる華麗なテニスは老いた今も軽視禁物

 年齢を重ねるごとに動きのスピードとキレが衰えつつあり、それによって各ショットの精度に狂いが生じている感はあるが、闘志そのものはまだまだ健在で、決して軽視していい存在ではないのは確か。フィジカル面に不安があり、消耗戦になりやすいクレーを戦い抜くには疑問符が付くが、一発で決まる芝や速めのハードなら彼の技術とセンスは今もトップクラスといえる。怪我が多く、もはや完全復活は見込めないが、見る者の心を掴む華麗なテニスで今後もツアーで活躍してほしいプレーヤーだ。

 

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