Jarkko Nieminen
生年月日: 1981.07.23
国籍: フィンランド
出身地: マスク(フィンランド)
身長: 185cm
体重: 78kg
利き手: 左
ウェア: Wilson
シューズ: Wilson
ラケット: Wilson Six. One 95
プロ転向: 2000
コーチ: Jan De Witt
鍛え上げられた強靭なフィジカルをベースに激しくコート上を駆け回り、粘り強くかつ強烈なショットを返球し続けてストローク戦を制するファイタータイプのベテランレフティー。05年全米でベスト8に入ったことをきっかけにトップへの扉に手を掛け、06年にはオークランド(250*)でのツアー初優勝やウィンブルドンのベスト8を含む年間通しての活躍で最高ランク13位を記録した。こうした点で高い能力を持った強豪であることに間違いはないが、ニーミネンの場合それ以上に特筆に値するのは、トップレベルで息長くプレーを続ける衰え知らずの健在ぶりだろう。事実、01年に初めてトップ100入りを果たしてから14年間に亘ってほとんどその座を譲ることなく、主に50位付近に安定して在位している。また、フィンランド人プレーヤーとしては唯一のATPシングルスのタイトルホルダーで、1人で自国のテニスを引っ張ってきた功績は高く評価されている。ハードコートでの洗練されたフットワークが際立ち、とりわけインドアの速いサーフェスを得意とするが、一方でストロークを軸に戦うプレースタイルはクレーでも十分に力を発揮できる。
低い姿勢による守備と堅実な攻撃が持ち味のストローク
ストロークは常に膝を深く曲げ腰を落として構えることで、相手の強いショットに対しても決して力負けすることなく、逆にカウンター気味に展開していける強みを持ち、簡単にはミスを出さない安定感とチャンスには確実に前に入って決める堅実さが持ち味である。厚いグリップとオープンスタンスが特徴のフォアハンドは、左利きらしく懐が深いためコースが読みにくく、また左足の踏ん張りが非常に強いために体の軸がほとんどぶれず、高精度のショットを繰り出す。軌道を上げたスピン系をクロスに打って相手の体勢を崩し、空いたオープンコートにフラット系のダウンザラインを叩き込む形を得意とし、このフォアのストレート攻撃が彼の最大の武器といえる。バックハンドも強烈なショットを備え、やはりこのサイドもダウンザラインの決定力が高い。とりわけアングルを狙われたショットを読んでコートの中に切れ込みウィナーを取ったり、あるいはそこを起点にネットを取ったりと巧みな判断力や思い切りの良さが光る。一方、フィジカル的に厳しくなってくると、踏み込めずにスライスで逃げる傾向があり、相手へのプレッシャーは半減してしまう。
配球の工夫に注目のサーブ
サーブの軸となるのは相手のタイミングを狂わすスライスサーブであるが、ポイントの欲しい場面では200km/hを超えるパワーサーブでライン上を狙ってエースを奪いにいく姿勢も見せる。また、意表を突いたサーブ&ボレーの使い方も効果的だ。120km/h台の緩い2ndは弱点で、上位に勝つためにはその質を上げるか、もしくは1stの確率をさらに高める必要がある。
ファンの心を熱くさせる若手にも負けない溌溂としたプレー
打ち込まれた強烈なショットの威力を吸収して自分のショットに還元する独特の感性を持つ彼のテニスは、相手のレベルが上がるほど自分のプレーの質も高まっていくタイプといえ、穴のない技術力や豊富な経験もあいまって、なかなか一筋縄ではいかない相手として上位陣からも警戒されている。若手にも負けない溌溂としたプレーや劣勢でも決して試合を諦めない真摯な姿勢は、ファンの心を熱くさせる。キャリアの締めくくりをどのような形で迎えるのか注目が集まる。