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Nicolas Almagro

ニコラス・アルマグロ

 生年月日: 1985.08.21 
 国籍:   スペイン 
 出身地:  ムルシア(スペイン)
 身長:   183cm 
 体重:   86kg 
 利き手:  右 
 ウェア:  Joma 
 シューズ: Joma 
 ラケット: Völkl Organix Super G 10 Mid 320 
 プロ転向: 2003 
 コーチ:  なし  

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 強力なサーブとパワフルかつ粘り強さや安定感も兼ね備えた弱点の少ないストロークを武器に、クレーコートで絶大な強さを発揮する個性豊かなベースラインプレーヤー。06年にバレンシア(250*)で予選上がりからツアー初優勝を遂げたことをきっかけにブレイクすると、以降毎年着実にタイトル数を積み上げる活躍を見せている。10年に2度目のトップ20入りを果たしてから4年間その圏内を守った実力に疑いの余地はなく、08年、09年に達成したアカプルコ(500)の2連覇などビッグタイトルも十分に持ってはいるが、どちらかといえば格上のいない大会を確実に制しているのが彼の特徴で、そうした意味では「平場のクレーキング」とでも称したい存在だ。年間の約半分はクレーの大会にエントリーする特異なスケジュールの組み方に、彼がいかにクレーを好んでいるかということが表れている。クレーを得意とするという意味ではスペイン人の典型といえるが、守備力や粘り強さが際立つタイプではなく、むしろ彼の場合クレーでの攻撃力を追求してきたプレーヤーで、フォア、バック両サイドともに高い打点から一直線に打ち抜く球威が持ち味という一味違った魅力を持つ。プレースタイル的には速いサーフェスでも活躍できそうだが、これまでのキャリアにおける数多くのタイトルと準優勝はすべてクレーの大会と成績も偏っている。とはいえ、ここ数年はクレー以外のサーフェスでの戦闘力も着実に上げてきており、とりわけスローハードでは十分に強豪と呼べる力を発揮できるようになっている。

両サイドから一直線に打ち抜く球威が脅威となるストローク

 ストロークは、いわゆる“クレーコーター”の代名詞ともいえる、相手を徐々に追い込む強烈なトップスピンボールではなく、切れ味抜群のフラット系のショットが主体であり、ダイナミックな攻めでウィナーを連発する。テイクバックの大きい独特なフォームで打つシングルバックハンドは彼の最大の武器で、試合を組み立てる軸となるショットである。そこからの攻撃力はツアー屈指で、ナダルのフォアとのマッチアップでもそれが少しでも甘ければ逆襲できる高い能力がある。中でもダウンザラインへの強打は彼自身が自信を持って打っている印象で、威力・精度ともにトップクラスを誇る。クロスのラリーでしっかりと打ち合って優位に立ち、相手の足を止めてからストレートへ展開するため、決定力は非常に高い。また、相手に読ませないために、打つ瞬間までコースを隠す技術に優れているのも強みの1つである。フォアハンドもまた強力で、一見手打ちにも見える何気ない打ち方だが、鋭いスイングと強烈なインパクトでボールに威力を与える。全体的には“剛”のイメージが強いアルマグロだが、意外にもドロップショットが得意で、絶妙なタッチとタイミングで相手を惑わす。技術的な弱点としては、スライスボールに対してのショットの精度が落ちる点で、低いボールを自在に操るプレーヤーとは相性が悪い。

「勝つためには攻撃あるのみ」という超攻撃的なテニス

 思考としては「勝つためには攻撃あるのみ」という超攻撃的なタイプであり、サーブ、リターン、ストロークどこからでも絶えずウィナーを狙っていくのはもちろん、守備局面においてもスライスで凌いだり、元のポジションに戻る時間を稼ぐために高い軌道を使うといった姿勢もほとんど見られない。ただ、クレーでは生きる大振りスタイルが、他のサーフェスでは逆に弱点となり、早いタイミングで返されると不十分な体勢で打たざるを得ず、ミスを出すことが多い。彼の攻撃力はしっかりと振り切るスイングがあってこそのもので、それが継続的にとれない速いサーフェスでは強さを発揮しきれない。それを改善すべく最近は意識的にハードでの強さを求めているようだが、速い展開に合わせてややコンパクトに矯正したスイングが、今度は彼本来の良さである豪快さを消した部分もあり、クレーでの強さに陰りが見える。しばらくはそのあたりのバランス調整に時間がかかりそうだ。また、ショットの緩急や巧みな技に支えられた攻撃力ではなく、猛烈な球威で相手を押し込むスタイルであるため、ひとたび確実に対応され、深く返球されると打開策に乏しい。自分が強く打ちすぎるあまり次の返球への対応が遅れ、ミスが出てくるのが悪い癖で、とりわけ守備力の高いプレーヤーとの対戦時にこの傾向が顕著に表れる。強打に頼りがちな速い攻めに緩急が加われば、更なる強さを手に入れられるだろう。

クイックモーションからエースを量産するサーブ

 クイック気味のモーションから繰り出されるサーブも彼の武器の1つで、1stのフラットサーブは常に200km/hを超える。他のプレーヤーよりもクレーの試合が占める割合が多いにもかかわらず、1試合平均のエースの数や1stのポイント獲得率で上位に位置しており、データからも彼のサーブの強さが証明できる。

速い打ち合いで露呈する未熟なフットワーク

 守備力の弱さは彼の大きな弱点で、フットワークに多少の難がある。速い打ち合いでは半歩足りない状態からの無理な強打でミスをして崩れていくケースが多く、クレーでの成績が良いのもフットワークの弱さが球足の遅いサーフェスなら緩和されるからという見方も可能である。

ベストコンディションなら再びトップ10に挑戦できる

 ここ最近はすっかりトップ20に定着してきたアルマグロだが、まだまだ同胞のナダルフェレールの影に隠れていて、地味な印象が強い。上位陣からの勝利、つまり番狂わせが少ないのも理由の1つかもしれない。ただ、テニス自体はド派手と称するにふさわしく、ベースラインからの凄まじい強打が連続して入っている時は、どんなに堅い守備をも崩しうる威力を誇る。プレーの柔軟性や守備能力、メンタル面のムラなど改善すべき課題も多く、また14年以降は怪我による離脱の影響もあって成績は下降傾向にあるが、本来の調子を取り戻せば再びトップ10の壁に挑戦していくだけのポテンシャルは持っている。

 

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