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Nikoloz Basilashvili

ニコロズ・バシラシュビリ

 生年月日: 1992.02.23 
 国籍:   ジョージア 
 出身地:  トビリシジョージア
 身長:   185cm 
 体重:   79kg 
 利き手:  右 
 ウェア:  EMPORIO ARMANI 
 シューズ: NIKE 
 ラケット: HEAD Speed Pro 
 プロ転向: 2008 
 コーチ:  なし 

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 コートを所狭しと駆け回る動きの俊敏性とスピード・パワー・テクニックを高次元に兼ね備えた正確なストロークを軸に堅くも思い切りの良いテニスでベースラインでの打ち合いを制するジョージアの中堅プレーヤー。08年にプロに転向しているがツアーレベルでの初出場は14年と長い下積み生活を経て今の地位にのし上がってきた苦労人であるが、一方でジュニア時代からその潜在能力を高く評価する声も多かった存在であり、20代半ばを過ぎてようやく才能が開花したという見方もある。18年の夏前に戦略家として名高いヤン・デ・ビットをコーチに迎えたことをきっかけにプレーの質を高め、予選から勝ち上がったハンブルク(500)で早速ツアー初優勝を成し遂げた。これによりジョージア人として史上初のATPタイトル獲得者となった。飛躍の勢いはとどまるところを知らず、北京(500)では決勝でデルポトロを一蹴する見事なパフォーマンスを披露して2勝目を手中に収めている。最も得意とするサーフェスハードコートだが、それほど環境によって強さが上下するタイプではなく、年間を通じて活躍が見込めるプレーヤーといえる。

平均球速でツアー最上位に位置するハードヒットのストローク

 バシラシュビリの最大の武器は言うまでもなくベースラインでのラリーにおいて両サイドから遜色なく繰り出されるパワフルなストロークだ。緩急の乏しさという悪い側面と表裏であるとはいえ、ストロークの平均球速がツアーで最上位に位置するほどの爆発的なハードヒットを持つ。高速スイングの中で極めてクリアなインパクトを実現する卓越した能力の持ち主で、激しく左右に動きながらでもハイペースなショットを打ち続ける。それを可能にするもう1つの要素が無駄の少ない洗練されたフットワークであり、最短距離で打点に向かうため常に確実にボールの後ろに体を置くことができる。強烈なトップスピンの球威で相手を押し込むフォアハンドは、回り込んで連続攻撃を仕掛ける姿勢も強い戦術の軸となるショット。基本的には背中側に振り切り自分のスイングで球種を作り出すが、深いボールに対しては頭上に振り上げるリバーススイングも多用する。近年テイクバックを少しシンプルに改善した効果も重なり、全体の対応力や耐久力が増した印象があり、苦しい体勢からの返球や一撃で決めるカウンターの質が向上している。バックハンドはラケットヘッドの走りが特筆に値する大きな武器で、それゆえにクロスコートの厳しいアングルに苦もなく鋭いボールを打ち込む。クロスの打ち合いで甘くなるとことが少ないため徐々に優位に立つことができ、相手を大きく外に追い出してオープンコートを空けた後に放つダウンザラインへの決定打も自在に操る。相手の予測のさらに上を行くクオリティという意味ではフォアよりもバックの方が優れていると言っても過言ではない。以前はストロークが全体的に浅く、一定のペースで程良く弾んでくるボールは相手にとって危険でないどころかやりやすいプレーヤーでもあった。すなわち彼の打球センスが逆に仇となっている雰囲気も見られたが、各ショットの精度に磨きをかけた今は一気に強敵と化した。同じリズムでラリーに付き合うと打ち負ける可能性が高いため、彼との対戦ではループやスライスを駆使して軌道の高低や緩急を織り交ぜる策が有効だろう。

総合的なレベルアップが必要なサーブ

 今後の更なる躍進を阻む恐れがあるとすればそれは間違いなくサービスゲームの弱さということになる。1stの確率と支配力を強化し、2ndではダブルフォルトを減らすなど、総合的なレベルアップが必要な状況だ。ややトスが後ろになり過ぎるきらいはあるものの、その他フォームの面で大きな欠陥はなく進化に向けた障害は少ないだけに、改善の動向には注目したい。

最強クラスの真っ向勝負に加わる武器を習得できるかが鍵

 大柄ではない平均的な体格、力みのないスイングでツアー屈指のスピードボールを連発するストローク、またサーブに課題があるという点も含めてフォニーニに近いイメージもある。正面突破力の高さはすでに折り紙付きであるため、実力の上積みを見据えて要求されるのは現状硬さのあるネットプレーや自ら変化を与える戦術のバリエーションといったところか。いずれにしても2つのビッグタイトルを立て続けに獲得して大きな自信を掴んだ彼の未来は明るい。グランドスラムを中心としたビッグステージでの活躍を期待したいところだ。