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Dusan Lajovic

ドゥシャン・ラヨビッチ

 生年月日: 1990.06.30 
 国籍:   セルビア 
 出身地:  ベオグラードセルビア
 身長:   183cm 
 体重:   83kg 
 利き手:  右 
 ウェア:  Australian 
 シューズ: asics 
 ラケット: Wilson Pro Staff 97 (18×20) 
 プロ転向: 2007 
 コーチ:  Jose Perlas 

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 鍛え上げられたフィジカルを活かしてベースライン後方で激しくボールを追い回し、パワフルなストロークによる重厚な組み立てによって相手を押し込むプレーを持ち味とするセルビアの中堅プレーヤー。13年デビスカップ決勝においてティプサレビッチの欠場を受けて2番手に抜擢されたことで名が知れ渡ると、その経験を活かす形で翌年から本格化を果たしている。過去にモヤやコスタやフェレーロといったチャンピオンを育てた実績十分のペルラスに師事した近年は地道ながらさらに実力の底上げに成功しており、ガスケやデルポトロら強敵を下しベスト8に進出した18年マドリード(1000)、ティームやメドベデフなど気鋭の若手を退けてノーシードから決勝に駆け上がった19年モンテカルロ(1000)と、マスターズの大舞台で結果が出始めている。また、19年にはウマグ(250)で念願のツアー初優勝も飾った。意外性を感じさせるプレーは少ないため、格上からのアップセットはあまりなくツアーの中で地味な存在ではあるものの、油断してかかると予想外の接戦に引き擦り込まれる実力者であることは間違いない。距離を長くとった打ち合いで強さを発揮する分、クレーコートが最も相性の良いサーフェスといえるが、本人はハードが得意とも話しており、あまり条件を選ばず安定した戦い方ができるタイプのプレーヤーだ。

スピンの球威と重厚な組み立てで相手を押し込むストローク

 非常にスピンの効いた重くキック力のある球種を操り、クロスコートへの配球を主体に粘り強く打ち合う中でラリー戦を制していくストロークは彼のテニスを支える重要な武器である。フォアハンドは厚いグリップながら腕をしなやかに使うことで自然なフォームを実現しており、インテンシティの高いラリーの応酬の中でクロスのアングルを突いたり、しっかりとストレートに流したりと、相手を大きく振り回すことができる強みを持つ。また、全体的にボールの軌道が高いためミスも少なく、持ち前の球威を単発のショットではなく継続的に使ってダメージを与えるテニスを可能にしている。シングルハンドで繰り出すバックハンドは癖のない綺麗な振り抜きから回転量を上げてクロスに相手を走らせるショットを最大の武器とし、特に相手の返球が浅く、深く構えたうえでボールの落ち際を捉えられる場面でのショットは非常に質が高い。一方で、バックサイドはいくつか課題もあり、ライジングでの処理を強いられたり、自らタイミングを早めて攻撃に転じようとした際に体勢を崩す傾向がある。加えて、強力なアングルショットで巧みにオープンコートを空けることに成功していながら次のショットで決め損ねる場面も少し目立つ。ダウンザラインの決定力を向上させることができれば脅威は確実に増すだろう。

高く弾むキックサーブを武器とする安定感のあるサーブ

 トップクラスの1stの確率の高さと主に2ndで放つスピン系の弾む球種が光るサーブも安定したテニスに寄与している。210km/h超の高速サーブも打てるが、サーブへの依存度が高いプレースタイルではないこともあり基本的には1stを確実に入れていく戦術をとるのが特徴だ。

パワー寄りながらベースはセルビアらしい正統派のテニス

 ややパワーが前面に出ている印象はあるものの、ラヨビッチもまた旺盛な闘志を表しつつも冷静かつ戦術的な思考をベースに攻守の出し入れができるセルビア人らしい正統派のテニスを身につけている。全体が整っている分特定の要素を伸ばすことはバランスを乱す要因にもなりかねないが、一段階レベルアップを図りトップ50定着を視野に入れるためには爆発力が欲しい。1つ鍵になるのは2ndサーブに対して下がるのではなく前に踏み込んで叩くリターンを習得することだろう。これにより展開のスピードで勝負できるようになると上位陣にとって怖い存在となってくるはずだ。