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Laslo Djere

ラスロ・ジェレ

 生年月日: 1995.06.02 
 国籍:   セルビア 
 出身地:  センタ(セルビア
 身長:   188cm 
 体重:   82kg 
 利き手:  右 
 ウェア:  lotto 
 シューズ: lotto 
 ラケット: Wilson Blade 98 (18×20) 
 プロ転向: 2013 
 コーチ:  Jaroslav Levinsky 

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 ベースライン後方に堅い守備壁を築き、相手の厳しい攻撃をしつこく返球しつつ機を見て力強い反撃を確実に当てていく堅実な守備的ベースラインプレーヤー。ジョコビッチの台頭以降絶え間なく実力者を輩出しているセルビアにおいてジェレもまたその1人で、プレースタイルとしてはトロイツキに最も近いが、いずれにしてもセルビアの伝統ともいえる理詰めのテニスを持ち味としている。チャレンジャーレベルでの下積みを経て着実に成長しながらも100位前後を行き来していた彼が、一気にトップ30へとブレイクを果たすきっかけとなったのが19年リオデジャネイロ(500)、第1シードのティーム撃破を含むツアー初優勝だった。このビッグタイトルが大きな自信となったことはその後の戦いぶりが証明しており、19年全仏における錦織との4時間を超える死闘が記憶に新しいように得意なクレーコートでは特に上位陣にとっても難敵となっている。

激しいラリーを制する広い守備範囲と卓越した返球能力

 8割程度に力を抑えながらボールを左右に確実に散らすベースラインでの戦いは彼が最も強さを発揮する領域である。ストロークにおいて大きな癖がなく、両サイドともにボールに対してラケットが素直に出てくる特徴を持ち、フィジカルの粘り強さと並んで彼が守備範囲と返球能力を武器にできる要因となっている。自らスライスなどの緩急を織り交ぜるタイプではなく、インテンシティの高いラリーで応戦する中で徐々に相手にダメージを与える形が身上。とりわけショットの距離感に長け、少し下がった基本ポジションでもコート内側に踏み込んだ場面でも、常に軌道を上げて深いボールを送る精度の高さは目を見張るものがある。反撃力という意味では、バック側に追い出されかけた時に放つスライスも非常に効果的で、ゆったりと戻すこともあれば、ストレート側の浅い位置にスペースを見つけて相手を前に誘き出し、パッシングで抜く形も得意としている。また、彼にはその得意なロングラリーに持ち込む、つまり短いポイントで終わらせない強かさがある。サーブの次の3球目ではまだ自分がベースライン付近に留まっている分、深いリターンには面を作って軽く、しかし深く返球することで、体勢を整えてラリーの応酬に繋げる。自らポイントを取り切るショットとしては、主導権を握った際にはフォアハンドの逆クロス、一発逆転を狙う局面では展開のタイミングが抜群に良いフラット系のバックハンドのダウンザラインを武器としている。

落ち着き払った雰囲気としぶといテニスで相手を疲弊に追い込む

 どんなに振られても引き離されない粘り、サーブ・リターン・ストロークの力強さを伴う安定感、ポイントを取っても取られても表情一つ変えないポーカーフェイスや佇まいも含めて「派手さはないがしぶとい」。それが彼のプレーヤーとしての特徴を適切に表現する言葉だろう。何一つ無理をすることなく飄々とポイントを重ねられるのはベースの能力が概して高い証拠であり、浮き沈みも少ないタイプと見える。ほとんどクレーだけの好成績で30位前後の位置を確保しており、ハードでの戦闘力が伸びてくることが予想される今後、そこから上がることはあれどトップ50から大きく落ちるような可能性は低いはず。YoungGunsとNextGenの間の比較的層の薄い世代の中で彼がどのようなキャリアを積むことになるのか注目したい。