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Filip Krajinovic

フィリップ・クライノビッチ

 生年月日: 1992.02.27 
 国籍:   セルビア 
 出身地:  ソンボル(セルビア
 身長:   185cm 
 体重:   75kg 
 利き手:  右 
 ウェア:  LACOSTE 
 シューズ: NIKE 
 ラケット: Wilson Blade 98 (18×20) 
 プロ転向: 2008 
 コーチ:  なし 

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 緩急を織り交ぜたメリハリのあるラリーを展開する中でコートを広く使い、確実に相手の弱点を突いてネットで決める、セルビア人らしい堅実かつ理詰めのテニスを持ち味とする総合力の高い戦術家タイプのオールラウンダー。ジュニア時代からその実力は高く評価され将来を嘱望されていたが、度重なる怪我の影響もありキャリアは足踏みを続けていた。しかし17年、チャレンジャーでの5タイトルで勢いづくと、パリマスターズ(1000)では予選勝ち上がりからクエリーやイズナーを撃破して決勝に進出、まさに混沌のシーズンを象徴するかのような活躍は多くのテニスファンを驚かせた。一発のビッグショットではなく、飛び跳ねるような身軽なフットワークを活かした粘り強さと多彩な技術力を使ったラリーメイクで勝負するプレースタイルはクレーコートとの相性が良いが、オーバーパワーをされない限りにおいては速いサーフェスへの対応力も水準以上で、ツアー屈指のクオリティを誇るネットプレーを活かす意味ではハードコートの方がむしろ適しているとの見方もできる。いずれにしても基本的には条件を選ばず一定の力を発揮できるプレーヤーと言っていいだろう。

緩急のメリハリとスムーズな展開力が光るストローク

 ベースラインからのストロークは決して派手さはないが、すべて強打するのではなくスピードの遅いトップスピンなども使いながらボールを左右に散らすことで、相手のリズムやバランスを崩すことができる巧妙な組み立てを武器とする。フォアハンドは体の近くに打点をとってボールを捌くのが特徴で、肘を比較的深く曲げてスイングするフォームは一見窮屈にも見えるが、インパクト時の鋭い感覚とリバーススイングに切り替える瞬時の判断力により、強いショットに対しても難なくカウンター気味に跳ね返していく。ライジングで捉えながらも球種はスピン系というのが彼の独特な点といえ、それほどパワフルなボールではないが、丁寧に深さと角度を突いてラリーの主導権を手繰り寄せる。時折当たりが薄くなるなどインパクトにムラがあるのが課題だが、逆にしっかりとストリングに引っ掛かった時のショットは非常にキレがあり、高い軌道からコーナーに吸い込まれていく。上半身を独楽のように小さく回してキレを出すバックハンドは、打ち合いの展開からタイミングを早めて一本でウィナーを奪うことのできる大きな武器であり、その完成度はフォアにも引けを取らない。ダウンザラインへの切り返しは最も得意とするショットの1つで、相手の回り込みフォアの逆クロスを読み、待ち構えてオープンコートへまさにカウンター攻撃を見舞う。また、両手打ちながら非常に滑らかにスライスを交ぜられるのも強みで、厳しい攻めに遭い辛うじて届いたような場面でも低く伸びのあるスライスで形勢を戻したり、あるいはミスを誘うこともできる。

ツアー屈指のクオリティを誇る極めて高度なボレーの技術力

 ストローク戦から流れるような動きで縦に詰めて多くのポイントを積み上げるネットプレーは彼の最大の武器と言っても過言ではなく、時に確実に時に鮮やかに相手の届かないコースへコントロールする。プレースタイル自体はストローク重視であるものの、相手のバランスが崩れたのを見極めてネットを取る判断力とそこからのダッシュ力が際立ち、またバックのハイボレーを逆クロス方向へ流す高度な技術を備えている。フォアのストレートを起点にこれらの要素を駆使してポイントに繋げる形は完全に自分のものにしている。

球際の強さとサーブの課題を克服すれば潜在能力はトップ10級

 技術的な特徴も含めてNo.1に上り詰める前の若き時代のジョコビッチとの共通項が多く、極めて戦略的なプレーの数々は多くのファンを魅了する。トップクラスのパワーを受け止める球際の強さを身につけて返球の深さを追求し、また現状少し力強さに欠けるサーブの攻撃力を強化できれば、トップ10も狙えるような潜在能力は間違いなく持っている。本格化が遅れた分、年齢的にはすでに中堅だがツアーレベルでは新顔に数えられるクライノビッチが今後どこまで実力を伸ばしてくるのか要注目だ。