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Kyle Edmund

カイル・エドマンド

 生年月日: 1995.01.08 
 国籍:   イギリス 
 出身地:  ヨハネスブルク南アフリカ
 身長:   188cm 
 体重:   83kg 
 利き手:  右 
 ウェア:  NIKE 
 シューズ: NIKE 
 ラケット: Wilson Pro Staff 97 (18×20) 
 プロ転向: 2012 
 コーチ:  Colin Beecher 

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 ツアー屈指の爆発力を誇るフォアハンドを駆使して一発の球威で相手の守備を打ち破ることも、左右に広く打ち分ける展開力で徐々に追い詰めていくこともできる、イギリス期待の強力なハードヒッター。15年末にイギリスが79年ぶりに頂点に輝いたデビスカップの決勝で第1ラバーに大抜擢され、相手エースのゴファンを2セットダウンの窮地に陥れる驚きのパフォーマンスを披露。この最高の形でのシーズン締め括りで自信を掴むと、16年から本格的にツアーレベルでの活躍が見られるようになり、特に全米ではガスケやイズナーを破って4回戦に進出し潜在能力の高さを証明した。18年には全豪でタフマッチの連続を見事に勝ち上がってベスト4を記録し、マレーの不在を払拭する存在感を示した。同年終盤にはアントワープ(250)でツアー初優勝を記録、実力も含めてトップ10入りも間近に迫っている。クレーコートを最も得意とするのは彼の強烈なスピンの効いたフォアとの相性の良さが要因だが、一方でハードコートでもその力はほとんど変わらず、全体として条件を問わないテニスの安定感が強みとなっている。

規格外の破壊力を誇る強打のフォアハンド

 広いスタンスをとって両足をしっかりと地面につけることで最大限吸収した下からのパワーを、自慢の腕力を活かしたフルスイングでショットに還元するフォアハンドは彼の最大の武器である。破壊力抜群のハードヒットでビッグ4からも恐れられたソダーリングを想起させる、テイクバック時に左手を低めの位置にセットするフォームが特徴で、かなり軌道の高いスピン系のボールがライン際で急激に落ちてコート内に収まり、バウンド後には相当な重さを伴って相手のラケットを弾いていくような威力が魅力となっている。厳しいアングルショットも含めて継続的に打ち続けるその強烈なショットで相手から浅いボールを引き出せば、積極的に前に入ってライジングでダウンザラインにウィナーを叩き込むのが1つの確立された形だ。また、回り込みフォアの強打は脅威で、少しベースラインから下がってボールとの距離をとり、回り込む時間と空間を作ったうえで放つ分、非常に広範囲をフォアでカバーし攻撃に結びつけることができる。これは後方からでもポイントを奪えるだけのパワーと肩口の高さから殴りつけるかの如くボールを上から叩く技術を備えた彼ならではの強みである。オープンスタンスで力強く踏ん張りながら放つカウンターも印象的で、並外れた腕力の強さがとりわけ際立つショットとなっている。

確率重視で組み立てるコンパクトなバックハンド

 振り子のようにゆったりと引くテイクバックにマレーの系譜を確かに感じさせるバックハンドは比較的コンパクトなスイングで捉えて深く返球していこうという志向が強いが、ここ最近はバウンドの上がりばなを叩くタイミングが向上し、カウンター気味にストレートへ展開するパターンを習得した分だけ攻撃力に磨きがかかっている。それほどウィナーを取っていく類のショットではないが、フォアでのラリー支配力を考えればリスクを冒さずにスライスも使いながら確率重視で組み立てるのは十分に理に適った戦い方といえる。現状課題に挙げられるのはディフェンス面で、比較的高い位置でオープンスタンスを使って弾き返せている時は強いが、動きながらのショットが得意なタイプではなく、一定以上ポジションを下げられると厳しさを露呈する。また、攻撃面においても1本でも多く返球されると展開が手詰まりになって決め手を失うシーンも見られ、戦術面を磨く必要もあるだろう。

安定したサービスゲームだがフォームの硬さは要改善

 サーブも彼の攻撃的なテニスを支える重要な要素となっており、スピードはフラット系でも200km/h前後と速くないが、どのコースにも正確なコントロールでラインを捉える精度の高さが持ち味。ゆえに2ndのポイント獲得率も高く、ストローク戦と同様にサービスゲームも安定感がある。ただし、更なる洗練の余地があるのも事実で、若干肩肘に硬さがあるフォームである点を改善できればスピードにしても回転系のキレにしてもまだまだ良くなりそうな雰囲気はある。

フォアの強さをより強調させる戦い方でトップを脅かしたい

 力強さの中にもしなやかさがあるため、今後様々な技術や戦術を身につけていくうえでその展望は明るい。スピン系の強打を持ち味としているため、安定感を犠牲にすることなく攻めのテニスを実現できる点で、おそらく結果の面でも波の少ないタイプになれるはず。トップからコンスタントに勝ち星を挙げるうえでは意外にバランス型であるという特性が足を引っ張っている感もあり、もっとシンプルに規格外のフォア強打を前面に出す戦い方もオプションとしては十分にありだろう。マレー兄弟の存在によりすっかり強豪国となったイギリスだが、エドマンドは間違いなくシングルスの2番手に定着するであろう有望株であり、彼より下の鼻息が荒いNextGenプレーヤーらともしのぎを削り合いながらテニス界を背負って立つスターへの成長を期待したい。