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Cristian Garin

クリスチャン・ガリン

 生年月日: 1996.05.30 
 国籍:   チリ 
 出身地:  サンティアゴ(チリ)
 身長:   185cm 
 体重:   85kg 
 利き手:  右 
 ウェア:  asics 
 シューズ: asics 
 ラケット: HEAD Radical MP 
 プロ転向: 2011 
 コーチ:  Pepe Vendrell 

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 筋肉質な分厚い肉体ながら南米出身らしいバネのある軽やかな動きと安定したラリー能力を基盤に、タイミングを計って得意のフォアハンドで堅実に攻撃を当てていくテニスで、トップレベルの地位を確かなものにしつつあるチリ期待のプレーヤー。13年全仏ジュニアの優勝者であり、さらには当時16歳ですでにツアーレベルの勝利を記録していたこともあり、非常に早くから名前を知られていた。そのことを考えると本格化までにやや時間を要した印象はあるが、しっかりと下積みを経てきただけありここ最近の台頭は勢いではなく本物の実力と言って差し支えなく、ヒューストン(250)でのツアー初優勝を含め5大会で3度決勝に進出した19年前半や、リオデジャネイロ(500)でのビッグタイトルを含む2大会連続優勝を飾った20年初頭の活躍はとりわけ鮮烈だった。現時点ではクレーコートでの戦績が突出して優れているが、プレースタイルが典型的なクレーコーターというよりも育った環境による自信の大きさが違いを生んでいる要因と思われる。フラットなボールを早いテンポで散らしていくショットも随所に見られる彼のテニスは本人の順応次第でハードでも結果は出せるはずだ。

線で捉える強力なフォアハンドを軸に応戦するストローク

 ベースラインでのストロークは堅い守備と機を見た攻撃のバランスが光る。守りの局面ではブロック系のスイングによりフラットな弾道で返球し、攻めの局面になった時に強くスピンをかけた高い軌道で押し込もうとする意図が見えるのが少し珍しい点。彼の最大の武器であるフォアハンドはテイクバックの早い段階でインパクト面が開くフォームが特徴であり、ボールを線で捉えることにより確実性という大きなアドバンテージに繋がっている。若干威力を削ぐ面はあるものの、彼のスタイルは決して後方からのパワー頼みではなく、粘った末に誘い込むようにフォア側を狙わせてカウンターをとったり、ラリーの中でコートの中に切れ込んでテンポを上げるショットが決め球の軸であり、ライジングの処理には理に適った打ち方といえる。フォア側でポジションを上げるその判断の良さが非常に際立ち、相手の予想を外すタイミングでダウンザラインのコーナーあるいはショートクロスを突くのが最も目立つポイントパターンだ。バックハンドは返すこと重視の姿勢が強く、バック側からの仕掛けを使うことはあまり多くない。ただし、特に低い姿勢のオープンスタンスではない場面でやや上半身と腕だけでショットをコントロールしようとするのが難点で、フットワークに不安定さを中心に大いに改善の余地がある。

ストローク以外での弱点の少なさも持ち味

 ストロークの強さが彼の実力を支える要素だが、フォア同様に早めのラケットセットから線で捉える安定したサーブ、前に入って叩く一発の怖さも持ち合わせるリターン、確実にポイントを締められるネットプレー、タフマッチにも耐える強靭なフィジカルなど、その他のプレーも隙がなく、こうした弱点の少なさも彼の持ち味の1つと言っていい。

「クレーの番人」としての地位を確保するか⁉

 特別ボールが速いわけでもなければ、ラリー中に甘い返球もあるのだが、少し長めの滞空時間で伸びてくるガリンの独特な球種には対戦相手がやりにくそうな様子が常にあり、その意味では巧みなカウンタープレーを多用する戦い方も含めて少なくとも相手目線ではシモンやトミックに近い感覚もあるかもしれない。ランキングがトップ20に入ったことで今後楽しみなのは未だ経験の少ないトップ10級との対戦やマスターズ以上の大会での存在感。戦いぶりを見ていると以前のアルマグロ、すなわちクレーに特化して着々とタイトルを重ねていく中でトップ20を維持するような地位を確保しそうな雰囲気が感じられる。いずれにしても、まだまだ全体的なスケールアップが期待できる若手のガリンには要注目だ。