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Jiri Vesely

イリ・ベセリ

 生年月日: 1993.07.10 
 国籍:   チェコ 
 出身地:  プルシーブラム(チェコ
 身長:   198cm 
 体重:   94kg 
 利き手:  左 
 ウェア:  lotto 
 シューズ: lotto 
 ラケット: Wison Blade 98 (18×20) 
 プロ転向: 2009 
 コーチ:  Jaroslav Navratil, Dusan Lojda  

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 角度のある高速サーブと強引にねじ込むような重く鋭いストロークを武器に力強さが前面に出たテニスで近い将来のトップ10入りを目指す強豪国チェコ期待の有望株レフティー。198cmの長身でビッグサーブを放つイメージからテニスも大味と思いがちだが、プレースタイルそのものは決してパワー一辺倒というわけではなく攻守のバランスを重視した堅実なものであり、また意外にアイディア豊富なテニスを見せるなど、油断のならないプレーヤーとして上位陣が警戒するプレーヤーの1人である。11年に全豪と全米のジュニアを制した実績を持つ逸材で、ツアー参戦後も13年にATP新人賞獲得、15年にオークランド(250)で初優勝と徐々にではあるが着実に成長を遂げている。サーフェスによる戦力の偏りはないタイプだが、1つ特筆すべきは芝での強さ。ウィンブルドンで過去にティームやA.ズベレフを早期ラウンドで敗退に追いやった実績があり、トップ10級とも互角に渡り合う実力を持っている。

爆発力と安定感を高次に兼ね備えるビッグサーブ

 ラオニッチに似た膝の曲げ方や薄いグリップで癖のないフォームから繰り出すサーブは彼の最大の武器で、230km/hを超えることもしばしばあるフラットサーブの威力はツアー屈指。モーションがシンプルなため大崩れすることも少なく、確率も比較的高い数字を維持することができたり、2ndも威力を落とさずに打てる強みを持つ。ただ、左利きの特権ともいえるアドバンテージサイドでワイドに切れるスライスサーブの質がいまひとつで、センターフラットを読みながらでも反応で十分に対応されてしまっている。このあたりがビッグサーバーの割にサービスキープ率が伸びてこない原因で、更なる進化のためには改善が求められる。

どっしりと構えて重いボールをねじ込む力強いストローク

 ストロークは強靭な下半身の踏ん張りによって溜めたパワーをショットに転換していくのが特徴で、それが球威と安定感を併せ持つ彼の強みを生んでいる。左利き特有の懐の深さがあるフォアハンドはラケットヘッドが落ちずにインパクトに向けて上から一直線に出てくる分常に厚い当たりを実現できており、とりわけフラット系のダウンザラインは抜群の破壊力を誇る。フォーム的にも相手としてはストレート方向を意識させられるが、しっかりと上半身を回してクロスにスピン系で引っ張ることもでき、そうなると逆を突かれることが多いのもベセリのフォアの特徴である。体格の印象通りフットワークは鈍重と言っていい部類に入るが、一歩の幅が広くリーチも長いため、特にこのフォア側は体勢が崩されても強いボールを返球する感覚を持っており、決して守備力に弱点があるとはいえない。バックハンドはコンパクトなスイングでカウンター気味に展開していくが、加えて前に入って高い打点から打ち込めている時は好調の証明だ。バックからは精度の高いドロップショットを仕掛けるポイントパターンも確立しており、速い打ち合いの中で有効なアクセントとなっている。課題といえばベースライン後方でボールを待ちすぎる傾向がある点で、内側に入れる甘いボールには積極的に前で処理する判断が身につけば、さらに自慢の強打が生きてくるだろう。

攻守のバランスは崩すことなく攻撃の形を磨きたい

 大柄ながら一発だけではない器用さや粘り強さを持ち、守りを固めながらもボールの強さで相手を押し込む彼のテニスの理想形としては「左のデルポトロ」といったところか。レフティの有利さを活かすことをテーマに個々のショットの向上を図りつつ、それらがコンビネーションとして結び付いてくれば飛躍的に攻撃力がアップしそうな雰囲気が漂う。16年モンテカルロでNo.1のジョコビッチを撃破し話題となったが、潜在能力からすればまだまだ存在感を示し切れてはいない。その意味ではそろそろ大きな大会での好結果が欲しいところだ。