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Ugo Humbert

ユーゴ・アンベール

 生年月日: 1998.06.26 
 国籍:   フランス 
 出身地:  メス(フランス)
 身長:   188cm 
 体重:   73kg 
 利き手:  左 
 ウェア:  LACOSTE 
 シューズ: LACOSTE 
 ラケット: Wison Blade 98 (18×20) 
 プロ転向: 2016 
 コーチ:  Jeremy Chardy, Thierry Ascione  

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 球種のバリエーションと配球範囲の幅広さが光るサーブ、滑らかな技術が攻守両面に生きたストロークの展開力を武器に、NextGenを代表するサウスポーとして日増しに存在感を高める若手プレーヤー。フランステニス連盟が12歳から手塩にかけて育成してきた逸材であり、加えて伝統的なテニス強豪国ながらこの10年、すなわち90年代生まれの台頭に乏しかったフランスにあってアンベールに懸かる期待と重圧は大きいものがあるが、本格的にツアーに参戦した19年にしっかりと結果を残してNextGen ATP Finalsに出場し同世代からも決して後れをとっていないことを示すと、翌20年オークランド(250)でツアー初優勝を飾り、今まさに飛躍の予感を漂わせるプレーヤーの1人だ。ハードコートを最も得意とし、恐らくはその中でも速い環境との相性が良いタイプ。逆に高い打点からパワフルに叩くテニスではない分、クレーは厳しい戦いを強いられるかもしれない。

多彩な回転を操りラリーの主導権を放さないフォアハンド

 非常に体に近い位置までボールを引きつけてインパクトすることで、相手に打つコースを読ませず反応を遅らせる場面が目立つフォアハンドはラリーの主軸となるショット。打点も少し落として外側から巻き込み横の変化量を上げて大きな角度をつけるスピン系のクロスコートはいかにも左利きらしい崩しのパターンであり、加えてストレートから逆クロスには早いタイミングでラケットを真っすぐ当てて押すフラット系の打球に切り替える確かな技術力がある。緩急と軌道のメリハリが数多くの打ち合いで主導権を握ることのできる要因と言っていい。課題は速いボールへの対応に脆弱性がある点。かなり打点を引きつける特徴は長所である一方で、振り遅れて差し込まれる弱点にもなっている。ラケットのセットの早さや引きすぎない位置は問題ないのだが、そこからの始動がやや遅く、これは将来的な怪我の懸念もあるため少しずつ矯正すべきだろう。また、コートの中でボールを持ち上げる処理でミスになるケースが散見される。ネットに出る意識は感じられるうえボレーもそつなくこなせるだけに、アプローチショットの精度を向上させたいところだ。

コートに吸い込まれるような伸びやかな軌道が魅力のバックハンド

 左足を深めに踏み込んだところから鋭く上体を回して放つバックハンドはフォア以上に高い評価を得る大きな武器である。膝を折った低い姿勢から非常に伸びのある低い軌道のショットを連発するのが特徴で、特にクロスに引っ張ったボールが吸い込まれるようにコーナーを捉えるコントロール力が魅力。ラケットを合わせる感覚に優れるため、コート後方からのカウンターウィナーも多く、守備時の耐久性も十分に備える。高く弾むボールで後ろに押し込まれる展開を回避する技術や戦術を身につければ、さらに質の高いバック側のラリーを実現できるはずだ。

角度・スピード・キレの三拍子揃った躍動感のあるサーブ

 クイック気味の躍動感あるフォームから繰り出され、高い割合でフリーポイントに繋げる強烈なサーブも武器にしている。まず際立つのは210km/hを超えてくる高速フラットであり、レフティ相手で外に切れる球種に意識が行ったその警戒を掻い潜るように速いサーブで突破していく。一方でスライスサーブも申し分ない回転のキレがあり、またスピードの抜き方、言い換えればフラットとの球速差も理想的であるため、リターンの体勢を崩して速い展開の攻撃に繋げることができる。身長こそ今のツアーでは平均的だが、彼のサーブは非常に高さを感じさせ、縦横の角度が相手の対応を難しくさせているといえる。

フィジカルの強化次第で明るい未来が開ける

 元々持っていたしなやかさとフランス人らしいオールラウンドなテニスにここ最近は力強さも加わってきた印象で、ポテンシャルに結果が追いつき始めた段階だ。それでもまだまだ身体の線は細く、フィジカルの完成により球際の粘り強さを手に入れるとともに、持ち前の器用さが小さくまとまってしまうことのないよう全体のスケールアップを図ることに成功すれば、彼の目の前には輝かしい未来が開けてくるだろう。