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Michael Llodra

ミカエル・ロドラ

 生年月日: 1980.05.18 
 国籍:   フランス 
 出身地:  パリ(フランス)
 身長:   191cm 
 体重:   80kg 
 利き手:  左 
 ウェア:  SERGIO TACCHINI 
 シューズ: asics 
 ラケット: Wilson Six.One 95 (16×18) 
 プロ転向: 1999 
 コーチ:  Yann Llodra  

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 ダブルスを主戦場としながらも、シングルスでも時折ファンの印象に深く残る活躍を見せるフランスのベテランレフティーにして、現ツアーの中では唯一の生き残りといえる純正のサーブ&ボレーヤー。彼のキャリアの主軸であるダブルスではサントーロと組んで03年、04年の全豪連覇や05年マスターズカップ制覇、クレマンと組んで07年ウィンブルドン優勝、12年ロンドン五輪では経験不足のツォンガをリードする形で銀メダル獲得などの輝かしい経歴を持つ、パートナーを選ばない実力に定評のある世界的に名高いスペシャリストとして知られている。一方で、08年ロッテルダム(500*)でのビッグタイトルや、ジョコビッチダビデンコら強豪を一蹴し、準決勝でもソダーリングを相手にマッチポイントまで迫った10年パリ(1000)での大躍進など、高速系サーフェスを中心にシングルスでも侮れない力の持ち主である。類稀なタッチセンスがベースとなった多彩なテクニックを駆使し、常に創造性溢れるショット選択で観客を楽しませることを忘れないユニークなプレーヤーであり、どこで何が出てくるか分からないプレーは、見る側のファンとしてはこれ以上ないエンターテイメントであるが、対戦相手としてはどこか不気味ささえある存在といえるだろう。また、今や数少ない縦横ともにナチュラルガットを張るプレーヤーとしても知られ、彼がハードヒットよりも繊細なタッチを重視していることを象徴する事実となっている。

時代を超越する代名詞のネットプレーは天才の領域

 読みの良さ、反応の鋭さ、タッチの感覚、コース判断とそれを忠実に実現するコントロール力、あるいは前への動きのスピードなど、すべてにおいて超一流の技術を備えるネットプレーの質は間違いなくツアーナンバー1であり、ロドラのテニスの大部分を占める代名詞的なプレーとなっている。現代テニスでは到底考えられない形でネットに出ていくのが特徴で、ほとんど100%に近い確率で行うサービスダッシュや、相手のサーブの質あるいは自分のリターンの質を問わず前に詰めていくリターンダッシュストロークの中でも常にネットを取る姿勢を崩さない。たとえ不利な状況でネットについてしまったとしても、持ち前の巧みなボレー処理で高確率でポイントに繋げてしまうのだから驚きだ。相手がトップ10級であると、リターンが浮いてくることが少なく、ハーフボレーや体が伸び切った状態でのローボレーを強いられることも多くなるが、それでもほとんど乱れないコントロールはもはや天才の領域と言っても過言ではなく、強烈なパッシングショットを文字通り包み込むような柔らかいタッチで短く落とす絶妙なドロップボレーや、強く低く球足を伸ばすアングルボレーなど、自由自在に相手を翻弄する。

巧妙なペースチェンジが脅威となる戦略的なストローク

 当然相手としては彼をネットに来させないために、深いストロークでベースラインに釘付けにしようとするが、ストローク能力も決して低くはなく、粘り強くかつ戦略的な返球から最終的にはアプローチショットに繋げていくことができる。持ち球はフラット系で、今時のプレーヤーの中ではかなり薄めのグリップから多彩な展開を使う。基本的には攻撃局面でも守備局面でもキレのあるバックハンドスライスを広範囲に散らして相手に打ち込ませず、浮き球を誘い出せば一気に攻撃のスイッチを入れて豪快に叩き込むのが大きなポイントパターン。握りの薄いフォアハンドでも、低い位置からラケットが出てくる独特なシングルバックハンドでも遜色なくウィナーを奪える点は、相手に大きなプレッシャーを与えている。また、多少強引にでもドロップショットを放って、得意のネット際の接近戦に持ち込む形も1試合の中で何度も見られる展開だ。

抜群のキレを誇る左利き特有のサーブからの展開

 左利きの利点を最大限に活かしたサーブも彼の武器で、サーブ&ボレーを貫く彼のプレースタイルにあってはテニスの生命線となっている。とりわけアドバンテージサイドからワイドに鋭く切れていくスライスサーブでオープンコートを作って、逆サイドにボレーで決める展開は分かっていても止められず、また200km/hを超えるセンターへのフラットサーブの効果もあいまって、ポイント確率は非常に高い。したがって、1stが高い確率で入っている時のサービスゲームは、どんなにリターン巧者であれブレークするのは困難を極める。一方で、2ndになるとさすがの彼でもサービスダッシュを自重することも多く、長いラリーに持ち込まれて思うような形に持ち込めないシーンも多々ある。

リターンダッシュの形も多種多様

 キャリアを通じてネットでのポイントの取り方を頑なに追求してきただけあって、リターンダッシュのバリエーションも非常に豊富なのが特徴。相手のサーブが2ndになると、不意を突いて思い切ってフラットに叩きエースを狙うこともあれば、スライスを低く短くプレースメントして相手に難しい体勢でパスを打たせたり、または鋭いパスを打たせないためにブロック気味の緩いボールをベースライン際に深く打って前に詰めるといった引き出しも持ち合わせている。こうしたリターンは奇襲的な側面が強いため、決してブレーク率は高くはないが、相手に対しては十分に脅威を与えられている点で軽視は禁物だ。

華麗なネットプレーでツアーを盛り上げる"最後のサーブ&ボレーヤー"

 “最後のサーブ&ボレーヤー”という立場の下、華麗なネットプレーでツアーを戦い抜いているということは、その事実だけで称賛されてしかるべきだろう。ネットプレーが絡む彼の試合は、ストローク全盛時代にあっては非常に新鮮かつスリリングなものが多く、特に地元フランスでは絶大な人気を誇る。単複二足の草鞋を履きこなすのは難しい年齢になってきてはいるが、少しでも長くツアーで活躍を続けてくれることを期待したい。

 

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