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Mardy Fish

マーディ・フィッシュ

 生年月日: 1981.12.09 
 国籍:   アメリカ 
 出身地:  イーダイナ(アメリカ)
 身長:   188cm 
 体重:   82kg 
 利き手:  右 
 ウェア:  K-SWISS 
 シューズ: K-SWISS 
 ラケット: Wilson Pro Staff 97 
 プロ転向: 2000 
 コーチ:  Mark Knowles 

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 強力なサーブを主体に早い段階で積極的にネットに詰めてボレーでポイントする形を得意とする伝統的なアメリカンスタイルの継承者にして、凋落の度を強めるアメリカテニスを牽引する攻撃型オールラウンドプレーヤー。彼のキャリアにおける最初のブレイクはシンシナティ(1000*)で決勝に進出し、ストックホルム(250*)でツアー初優勝を飾って一気にランキングを上げた03年だったが、フィジカルの完成が遅れたことや度重なる怪我と手術などにより、時折トップ10級を破ることはあっても彼自身の成績は安定せず、なかなか才能を発揮しきれない時期もあった。しかし、10年に肉体改造に取り組み、10kg以上の減量に成功したことで、ショットやフットワークなどすべてにおいてスピーディーさが増し、ベテランになったこの歳にしてプレーが格段にレベルアップを遂げている。成績の面で言えば、同年シンシナティでマレーやロディックら格上を次々と撃破して再び準優勝に輝くと、11年にはウィンブルドンでのベスト8を含むコンスタントな活躍で自身初のトップ10入りも果たしている。その過程でプレースタイルも以前に比べて無理をせずベースライン付近で打ち合えるケースが増えたことで全体に安定感が生まれている。より完成度の増したテニスの質について、同胞の親友でスーパースターでもあるロディックを超えたとの声も少なくない。ただ、マスターズ準優勝4回、04年アテネ五輪銀メダルなど、ビッグタイトルにはあと一歩届いていないというのが惜しいところ。全体的に球足の速いサーフェスを得意とするが、最も速い芝やインドアよりは、慣れ親しんだ北米タイプのアウトドアハードで特にのびのびとしたプレーを見せる。逆に、一発よりも継続性や粘り強さが求められるクレーコートを極端に苦手としており、ベースラインから大きく下げられる環境では、彼の強さが半減してしまう。男子には珍しくくるぶし丈のソックスを着用するプレーヤーでありフィッシュのトレードマークとなっている。

展開の速いテニスを支えるビッグサーブ

 強烈なサーブは彼のテニスを支える大きな武器であり、スピードはもちろん1stからフラット、スライス、キックなど様々な球種を使い分けて相手を大いに苦しめる。サーブからの展開も非常に速く、ベースラインからのショットが格段に進歩した現代テニスにあっては、数少ないサーブ&ボレーを多用するプレーヤーである。サーブを打った後に体が大きく前傾し前に踏み出すため、ネットに詰めるのが遅れることは少ない。サーブにおける彼の課題は1stの確率の低さであり、更なる躍進を遂げるためには改善が必要不可欠である。

後方から一撃を狙うセンスと意外性を持つストローク

 ストロークはフォアハンド、バックハンドともにフォームに無駄がなく、効率良く鋭いボールを打つことができる。軽い振りでボールにスピードをつける独特のセンスを持っており、バックコートからでも意外なタイミングで強引に一撃を狙えるのが魅力である。体の軸に近い位置に打点を取ることで出所の見えにくいフォームを実現するバックハンドは威力・精度ともにとりわけ秀でており、高い打点のボールをジャックナイフ気味にジャンプして上から叩くことが他のプレーヤーよりも多い点も特徴である。ただ、良い面ばかりではないのも確かで、フォアは良い時と悪い時の差が激しく安定性に欠ける点や、バックのライジングショットがほとんどクロスしかないといった弱点もあり、今後常にトップ10圏内にいるためには、これらの課題を克服する必要がありそうだ。

仕上げのネットプレーから逆算して組み立てるラリー戦術

 ストロークは概してショートテイクバックで、強打というよりは速いテンポでコーナーを突き、ネットを取るのが主体となる。ショットの威力よりネットで仕留めることを前提に、そこからの逆算で工夫しながらラリーを組み立てるところが彼のテニスの面白さである。そのネットの取り方が多彩で、彼が本来得意とするボレーの技術力とあいまって絶大な効果を生み出す。スピン系のフォアとフラット系のバックのどちらからでも正確なアプローチショットを打てるだけでなく、フォア、バック双方からのライン際へのスライス、相手の状況を見極めてからやや遅らせてネットを取るなどといった通常のプレーヤーにはないスタイルで、常に「隙あらばネットへ」という姿勢を崩さない。また、最近のプレーヤーにしてはフォアのグリップが薄めであるがゆえに、浅いボールを掬い上げる際のタッチが抜群である。

多彩な能力を持ち合わせる質の高いネットプレー

 ネットプレーは彼の最大の武器で、反応が速く、とにかく面を合わせる技術に優れているため、高い打点や足元などの難しいボールの処理も鮮やかにこなすことができる。パスやロブの餌食になりにくいのも彼のボレーの強みで、ドロップボレーやスピードを緩めないアングルボレーなどの短いショットと、強く深いショットを効果的に組み合わせることで、相手に十分な体勢でパスを打たせない。これらクオリティの高いネットプレーは、ダブルスに積極的に出場する中で培われている部分も大きく、実際ダブルスでも多くのツアータイトルを獲得している。

勝負強さを習得して念願のビッグタイトル獲得なるか⁉

 勝利への執着心や戦略に基づくプレーの徹底度が低い気まぐれなメンタルの問題があったり、技術的にもストロークにおいてはいくつかの懸念材料がありながら、現代テニスでは非常に難しくなったネットプレーで勝ち進むフィッシュのプレーは異色であり、今のツアーに新鮮味を供給してくれる。そうした見ていて飽きないテニスで、彼が接戦をものにする強かさを身につけ、念願のビッグタイトルの獲得を期待されている。12年以降心臓に重大な疾患を抱えてしまい、残念ながらキャリアはスローダウンを余儀なくされたが、数少ない出場機会ではファンの記憶に焼き付く魅力的なプレーを披露しており、できる限り長く現役を続けてほしいところだ。

 

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