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Jurgen Melzer

ユルゲン・メルツァー

 生年月日: 1981.05.22 
 国籍:   オーストリア 
 出身地:  ウィーン(オーストリア
 身長:   183cm 
 体重:   80kg 
 利き手:  左 
 ウェア:  BIDI BADU 
 シューズ: adidas 
 ラケット: DUNLOP Biomimetic F 3.0 Tour 
 プロ転向: 1999 
 コーチ:  Fredrik Rosengren  

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 非常に高い技術を軸に硬軟を自在に操るテニスを持ち味とするオーストリアの技巧派レフティーにして元トップ10の実力者。プレースタイル的にはベースラインからどんどん打ち込むハードヒッターの側面と、スライス回転や前後の動きを巧みに織り交ぜて相手を手玉に取るうまさが強調されたテクニシャンという二面性を持ったプレーヤーだが、そのいずれも攻撃の展開の中に組み込むという意味では、非常に攻撃力の高いオールラウンダーといえる。09年までは実力がありながらなかなかグランドスラム3回戦の壁を打ち破れないプレーヤーとして知られていたが、10年に遅咲きながら才能が一気に開花し、全仏では準々決勝でジョコビッチに2セットダウンからの逆転で勝利してベスト4に進出すると、その後1年のうちにナダルフェデラーをも撃破する勢いを見せつけた。また、同時期はダブルスでの成績も絶頂にあり、ドイツのペッシュナーと組んだペアで10年ウィンブルドンと11年全米で2度グランドスラムタイトルを獲得している。シングルスにおける最大のタイトルは12年メンフィス(500)で、イズナーやラオニッチのビッグサーブを完璧に攻略した戦いぶりは鮮烈な印象を残した。クレーからスローハードにかけてのやや遅めの条件の方がメルツァーのテニスには合っているものの、実績が示す通りインドアなどの速いサーフェスを苦手としているということはなく、ハマれば上位陣を破る爆発力も持っている。

多彩な組み立てからフォアでトドメを刺すストローク

 彼の最大の武器であるフォアハンドは左利き特有の懐の深さを持ち、相手からはコースが読みにくいため、逆を突くような形でウィナーを取ることが多い。もちろん威力も相当なものがあり、ラリー戦の中で重く弾むトップスピンや低く滑るスライスなど、多彩な球種を広角に打ち分けて相手を揺さぶると、最後にフォアのフラット系のショットでストレートへ豪快にトドメを刺す形を得意とする。バックハンドもウィナーを取ることのできる威力を備えるが、基本的にバックサイドからはキレのあるスライスも交えながら、より展開力のあるフォアを使うチャンスをじっくり待つことが多い。また、円を描くような独特なテイクバックから繰り出す両手打ちのドロップショットは、劣勢を覆す1つの打開策としても使うことのできる大きな武器で、とりわけクレーコートでは多用する。そこから鋭いタッチの感覚を活かした得意のネットプレーに繋げるコンビネーションは相手を大いに翻弄する。

ダブルス仕込みの硬軟自在な武器

 ダブルス関連の要素においてもやはり豪快さと繊細さの両面を見せるのが彼のテニスで、前衛では非常に思い切ったポーチに出て強烈な反射ボレーを決めたかと思えば、後衛では上の空間を美しく抜いていくトップスピンロブを得意としている。また、一発のあるリターンの攻撃力もさすがはダブルス仕込みといった印象を受ける。

玄人好みの技巧派テニスで生き残ることができるか⁉

 基本的には技巧派というのが彼に対する大方の評価であろうが、コート内側に踏み込んでフォアのウィナーを叩き込む強打力が猛威を振るった時代こそ彼は強かった。最近はトップにいた数年前に比べて、とりわけサーブとフォアの攻撃力に陰りが見え、相手に与えるプレッシャーが薄くなってきているという点で、なかなか勝ち星を積み重ねられない苦しい時期を迎えているが、ファンよりもプレーヤー間で「彼はうまい」と評判になることの多い技術力は錆びついていない。14年にブレイクを果たした同胞の新星ティームやキャリアが軌道に乗り始めている弟のジェラルドらとともに今後もオーストリアテニスを引っ張っていってほしい存在だ。

 

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