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Lloyd Harris

ロイド・ハリス

 生年月日: 1997.02.24 
 国籍:   南アフリカ 
 出身地:  ケープタウン南アフリカ
 身長:   193cm 
 体重:   80kg 
 利き手:  右 
 ウェア:  lotto 
 シューズ: lotto 
 ラケット: YONEX EZONE 98 
 プロ転向: 2015 
 コーチ:  Anthony Harris  

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 単発でポイントを終わらせられる強烈かつ巧みなサーブおよびコート内側でチャンスを仕留める鋭いストロークによる攻撃力を武器としつつ、一方で球際の強さを活かした後方での粘りと安定性にも優れる、南アフリカ期待の長身プレーヤー。昨今のNextGen台頭の波は主に20歳前後の年齢の若手によって担われているが、彼は同世代からは少し遅れて23歳頃から本格的にツアーに出場するようになり、21年ドバイ(500)では予選勝ち上がりからティーム、錦織、シャポバロフら実績十分の上位勢を次々に破って決勝に進出する活躍を見せ、そのポテンシャルの高さを大いにアピールした。ハードコートを最も得意とするが、大きなフォームや力一杯の振り抜きを前提とせず効率的に強いボールを繰り出していくテニスは今後芝でも脅威になってきそうな雰囲気を醸す。

巧みな配球でエースを量産するクイックサーブ

 最大の武器であるサーブは193cmの長身と前方へのトスが生み出す大きな角度が相手を苦しめる。フラット系でも多くが200km/h前後と爆発的に速いというわけではないが、クイックのタイミングがリターン側の感覚を惑わせ、左右へ正確に打ち分ける高い精度により軽くエースの数を積み重ねていくことができる。とりわけ得意とするのがデュースサイドのワイドに放つ抜いたスライスサーブで、確率を高く維持しつつ3球目攻撃も含めてフリーポイントを稼ぎ、さらにはセンターフラットをより対応困難なものとする、一石二鳥あるいは三鳥の突出した武器といえる。2ndのポイント獲得率に向上の余地が見られるものの、概して高い1stの入りおよびポイント獲得率があるため現状でも問題なく、スムーズに進めていくサービスゲームの支配力はツアー上位に位置する。

攻守にメリハリの効いた伸びやかなストローク

 非常に伸びやかなショットを絶え間なく打つことのできるストロークも魅力的だ。攻撃の軸となるフォアハンドは決定力の高さが光り、逆クロスを中心にフラットな弾道の高速ショットでウィナーを奪っていく。浅いボールをしっかりと持ち上げてネットアプローチに繋げるショットに見られるように、タッチの感覚やインパクトの力加減に優れる点も強みとなっている。ただし、手の感覚が良いことの裏返しではあるものの、必要以上にリバーススイングが増え、手先でコントロールしようとしてボールの推進力を失う傾向が出始めると調子低下のサインであり、相手としてはそれを引き出すためにセンター寄りの体に近いコースへ深さを追求したショットを送りたい。バックハンドは丁寧に流し込むようなイメージだが、相手の球威をうまく利用するためカウンター気味に十分に押し込んでいくこともできる。また、彼のラリーで特筆に値するのはディフェンスショットの深さと緩さ。守備に回った時に豪速球を返してしまうとオープンコートの対応に穴ができるが、彼は無理をせず意図的にスピンをかけて軌道を上げたり速度を落としたりといった巧みさを見せる。打ち合いのペースを落として展開をイーブンに戻す滞空時間の長いスライスが打てるのも、攻撃一辺倒ではない彼のそうした器用さの一環であり、大柄ながら俊敏性に長ける動きと並んで安定性の秘訣と言っていいだろう。

ビッグサーブ+安定したストロークの組み合わせは強いテニスの鉄板

 サーブ+αの得点力は盤石、リターンとストロークには確実性があって決して強引にならず戦術的な組み立てができる。これがハリスの実力を支える2つの異なる側面であり、今後フィジカルを強化して筋力や持久力が上がり対パワーの許容範囲も広がってくるとトップ20以上、そしてビッグトーナメントの優勝争いにも絡んでくる可能性を感じさせる。南アフリカは人材豊富というわけではなく、現時点で彼と並走する若い世代のプレーヤーはいないが、10歳上の先輩格アンダーソンから徐々にバトンを引き継ぎ孤軍奮闘する姿を期待したい。