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Alexandr Dolgopolov

アレクサンドル・ドルゴポロフ

 生年月日: 1988.11.07 
 国籍:   ウクライナ 
 出身地:  キーウ(ウクライナ
 身長:   180cm 
 体重:   71kg 
 利き手:  右 
 ウェア:  diadora 
 シューズ: diadora 
 ラケット: Wilson Pro Staff 97S (18×16) 
 プロ転向: 2006 
 コーチ:  Stas Khmarskiy  

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 高い運動神経と多彩なテクニックを自由自在に駆使して相手を翻弄するトリッキーなプレーや持ち前のスピードを活かした痛快な攻撃テニスで見る者を虜にする当代の「コート上の手品師」。同じウクライナ出身で元No.4アンドレイ・メドベデフのコーチを務めていた父親の影響で、幼少時からプロツアーを回る環境で育ったためか、そのテニスはどこを切っても型破りと称するにふさわしく、個性豊かなプレーヤーの揃うツアーでも一際存在感を放つ変則プレーヤーだ。初出場ながらツォンガやソダーリングを破ってベスト8に進出し、さらにはマレーをも大いに苦しめた11年全豪で世界にその名を轟かせると、同年ウマグ(250)でツアー初優勝、12年初頭には最高13位まで駆け上がった。以後浮き沈みの激しいところはあるものの、14年インディアンウェルズ(1000)ではナダルとの接戦を制してベスト4、15年シンシナティ(1000)でもベスト4に入り準決勝でジョコビッチをあと一歩のところまで追い詰めた潜在能力の高さに疑いの余地はなく、上位陣としてはその時々の彼のランキングを参考にしすぎると辛酸を舐める結果になりかねない。ダブルスに出場することは多くないが、それだけにマリーセと組んだ「ポニーテール・デュオ」が、史上最強ペアのブライアン兄弟、実績十分のマレー兄弟、10年全米準優勝ペアのボパンナ・クレシ、08年北京五輪金メダルペアのフェデラー・バブリンカといった面々を1回戦から5試合連続でマッチタイブレークを制して優勝した11年インディアンウェルズ(1000)での活躍は鮮烈だった。独特なショットセレクションがベースとなった意外性が武器で、とりわけ初対戦となる相手にとっては良くも悪くも常識というものが通用しないドルゴポロフに手を焼くことが多い。球足の遅いハードコートが彼の力が最も発揮されるサーフェスであるが、その他条件の悪い大会での活躍が目立つのは、技術力の確かさゆえといえるだろう。

自在の緩急で相手の虚を突くトリッキーなストローク

 ストロークは広角に打ち分けるコース取りが自在なフォアハンドと、回転量の多いスライス系と深く突き刺すフラット系が絶妙なコントラストを描くバックハンドを持つ。フォアはクロスには跳び上がりながら打つことで回転量を増幅させるスピンボールを厳しいアングルに配球して相手を外に追い出し、オープンコートを作ってストレートにシュート回転系のフラットで豪快に叩き込む。自分のポジションや相手のポジションに関わらず、どんな状況でもこじ開けるようにオープンコートを作り出す積極性と技術力が非常に際立っている。バックは長いラリー戦では非常にサイドスピンの効いた遅いスライスを多用しながら浮き球を誘い出し、前に踏み込んで強打でウィナーを狙いにいく。あるいは長いスライスと見せかけてドロップショットやそれに近い低空飛行の速いスライスで決めることも多い。ツアーでは小柄な部類に入る彼だが、バックの強打はそれをまったく感じさせないほど上から打ち下ろすことができる。相手のショットの威力をそのまま利用してライジングでクリーンに捉え、スピードのあるボールを作るセンスはツアー随一といえ、この能力は得意とするカウンターショットやミドルコートでの巧みなボール処理にも活かされている。ただし、意外性が裏目に出ている部分も否めず、攻めれば良さそうなところをスライスで流してみたり、逆にスライスで対応すべき場面で強引になることも多く、まだまだ判断力には不可解な点がある。トリッキーに相手の裏をかく戦い方だけでなく、正面突破力を上げれば結果もついてくるだろう。

瞬き一つ許さない超クイックサーブ

 “超”が付くほどのクイックモーションから繰り出されるサーブも、彼の大きな武器かつ印象に残るプレーの1つである。トスアップからインパクトまでの時間が瞬き一つ許さないほど短いため、フォームの癖からサーブのコースを読むのは不可能に近く、かつ200km/hを大きく超えるスピードも備えるため、サービスポイントが多く、1stポイント獲得率が高いのが特徴だ。一方、確率が悪いのが弱点で、2ndにおける球種もあまり多くない。このあたりが改善されると盤石なサービスゲームを手に入れられるはずだ。

天才肌にありがちな淡白さが課題のメンタル

 淡白さが目立つメンタル面もトップレベルで戦ううえでは課題とされている。彼のような天才肌のプレーヤーにはありがちといえるが、勝てる見込みが薄くなってきたり、感覚がうまく噛み合わないと途端にプレー全体が雑になり、粘りがなくなる傾向がある。

誰にも真似できない動きとショットで魅力に事欠かない

 飛び跳ね羽ばたくような躍動感でコートを駆け回り、豊富なアイディアで軽々しくスーパーショットを披露するなど、観客にとっては魅力に事欠かないプレーヤーであるが、勝負に徹するプレーヤー目線でいえば、それ以上に目立つアンフォーストエラーをまずは減らしたい。サーブとフォアを軸とした正攻法での戦い方の構築がなかなか進まず、伸び悩んでいる印象もあるが、技術面、戦術面ではトップと遜色ないものを持っている。18年に負った右手首の怪我からの戦線復帰が未だ叶っていないが、今後まだまだ飛躍を期待していいプレーヤーだろう。