Federico Delbonis
生年月日: 1990.10.05
国籍: アルゼンチン
出身地: アスル(アルゼンチン)
身長: 193cm
体重: 90kg
利き手: 左
ウェア: Babolat
シューズ: Babolat
ラケット: Babolat Pure Aero Plus
プロ転向: 2007
コーチ: Mariano Hood
南米人らしい躍動感のある大胆なフォームから繰り出すスピン系のフォアの強打を武器に相手を後方に押し込み、自らはラリーの中で徐々にポジションを上げつつ大きな角度をつけてポイントに結び付けていく重厚な組み立てを持ち味とするレフティーのストローカー。デルボニスの名は、13年ハンブルク(500)で予選上がりから快進撃を見せ、準決勝ではフェデラーに土をつけて準優勝を果たしたことで初めて世界的に知られるようになったが、その後翌年にはサンパウロ(250)でツアー初優勝を飾るなど着実に成長を遂げてきた。16年にはデビスカップ決勝の勝負が決するファイナルラバーでカルロビッチのビッグサーブを完全に攻略してアルゼンチン初戴冠のヒーローとなったことも記憶に新しい。ゆったりとしたリズムの中でボールを強くヒットしていきたいプレースタイル上、最も得意とするのはクレーであり、球足の速いサーフェスでの戦闘力向上は今後の課題といえる。
重いトップスピンのフォアハンドを軸とするストローク
膝を深く曲げて体を沈み込ませ、そこからの伸び上がりで下から上へと生み出したパワーを重いトップスピンに転換していくフォアハンドは長いラリーの主導権をものにする彼の最大の武器である。比較的低い打点をとって外側から巻き込むようなスイング軌道で捉える特徴と左利きであることの優位性を活かして、右利きの相手のバック側となるクロスコートに辛抱強くボールを弾ませ、機を見て外から回してくるようにダウンザラインへウィナーを狙いにいくのが基本的な戦術となっており、独特なリズムを駆使した展開は相手を惑わす。肩の入れ方と腰の鋭い回しが特徴のバックハンドはスピンとフラットの使い分けを強みとする。フォア、バックともにしっかりとボールを引き込んで打つことが多いため、逆に打点を早めたバックのライジングをクロスに突き刺した時に相手は意表を突かれる形となりやすく、このショットが大きなアクセントとして機能している印象がある。ストロークの弱点としてはやはり速い展開の中でとりわけフォームの大きいフォアの質が落ちる点で、対戦相手はコンパクトに振り抜くバックのカウンターを警戒しつつフォアのミスを誘い出すというのが有効な戦略だろう。
世界一トスの高いサーブは彼のトレードマーク
左腕を担ぎ上げる形を先に作った状態から、野球の投手の二段モーションの如く上下の反動を利用して非常に高いトスを上げ、全身をバネのように使って放たれるサーブも彼の独特な感性を象徴する技術で、なかなか他では見られないという意味では見どころの1つである。おそらくトスをツアーで最も高い位置に上げるプレーヤーで、どちらかといえばクイック気味のサーブがトレンドの現代にあっては、リターン側とするとタイミングが合わせにくく、加えて繰り出す球種の中でも高く弾んでくるスピン系と逃げていくスライス系の軌道の差が読みにくい特徴がある。左利き特有の外に逃がすサーブのキレがそれほどでもない点で、ワイドのコースを武器として使えていないのが課題ではあるが、200km/hを超えるフラットサーブも備えており、配球バランス次第では強力なサービスゲームを構築できそうだ。
跳ねるような軽快な動きと十分なパワーを兼備する実力者
長身だが飛び跳ねるような軽快な動きを持ち、一方でショットには十分なパワーがあるのが彼のテニスであり、フィジカル・メンタルの粘り強さも水準以上。技術に癖はあるが強くなるための条件をしっかりと揃え、16年デビスカップの優勝を経験して自信も掴んだデルボニスの今後に期待がかかる。