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Dominik Koepfer

ドミニク・コプファー

 生年月日: 1994.04.29 
 国籍:   ドイツ 
 出身地:  フルトヴァンゲン(ドイツ)
 身長:   180cm 
 体重:   79kg 
 利き手:  左 
 ウェア:  lotto 
 シューズ: lotto 
 ラケット: HEAD Prestige MP 
 プロ転向: 2016 
 コーチ:  Rhyne Williams, Billy Heiser   

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 躍動感溢れるフットワークでコートを駆け回り、高低や緩急のバリエーションに富んだ精度の高いショットを器用に操って激しいストローク戦を制していくドイツのサウスポー。アメリカの大学テニスを経由してプロに転向したこともあり、ツアーで頭角を現してきたのは20代後半に差し掛かってからであるが、19年全米で大会初出場ながら予選から勝ち上がって4回戦まで進出、20年にはマスターズ初出場となったローマ(1000)でベスト8の快進撃を見せNo.1のジョコビッチにもあわやというところまで迫るなど、ここ最近急速に存在感を高めている。高い軌道を使って相手をベースラインに釘付けにするしつこいプレースタイルはクレーコートで最も強さを発揮する。

高軌道のスピン系フォアと強烈に突き刺すバック

 ベースライン後方に構えてじっくりと強いボールを打ち込んでいくストロークは、コプファーの堅牢なテニスを支える強力な武器である。フォアハンドは高い打点を積極的にとるというよりは常に腰付近の高さまで引きつけ、斜め上方向の高角度に打ち出してスピンで落とすショットを得意とする。激しい打ち合いでも時間と空間をうまく使って執拗にクロスコートのコーナーにピンポイントで戻す感覚はいかにもクレーコーターらしく、そのターゲットが多くのプレーヤーのバック側になるという左利きのアドバンテージがより一層強みを増幅させている。こうして守備から入りながら相手のバランスを崩すと、機を見て前に入ってフラット系のストレートを叩き込むこともできる。大きな円を描くようなテイクバックが特徴的なバックハンドも脅威となるショットで、相手の予測の上を行くという観点では明らかにフォアに優る。かなり大きく捻った上半身を鋭く回しながら前側の左脚一本に体重を乗せてボールを走らせる能力に長け、肩口の難しい打点から一撃で突き刺すクロスやダウンザラインを備える。また、アングルを突く崩しや、自分から展開に交ぜることは少ないながらもディフェンス時に有効かつ高質なスライスを放つこともでき、弱点のない技術力も魅力である。課題としては、彼の思い切りの良さと裏腹ではあるが、勝負所でリスクを負いすぎてミスが増える傾向は指摘できるかもしれない。

多彩なサーブは今後スタッツが伴ってくるか

 サーブも大きく曲がるスライス、高く弾むスピン、200km/h超のフラットと多彩な球種を持つが、センターから少し離れて立つアドバンテージサイドのワイドサーブがやはり配球の軸となって有利なラリーの形を作り出す。右利きのリターナーのフォア側も厭わずキック系を多用するのも的を絞らせない要因となっている。凡庸なポイント獲得率など現時点で数字面は伸びてきていないが、技術的には高いものを持っており、配球の偏りや不必要なダブルフォルトを減らしていけば十分に武器になり得るだろう。

テニスの質は完成された域、足りないのは経験だけ

 強靭かつ柔軟なフィジカルを活かして、リターンやストロークでコートの外側に追い出されても地面間近のボールをうまく返球することで相手の攻撃の芽を次々と潰していく守備面が第一に光る彼のテニスではあるが、アメリカの薫陶といえるのかチャンスでネットに突進して強いボレーで仕留めるプレーも持ち合わせ、相手とすれば心理的な圧迫を感じるプレーヤーである。コプファー自身にメンタル的な波が散見されるのは要改善点ではあるが、経験を積んで自信をつけていけば自然と解消されるだろう。テニスはすでに完成された域にあり、各ショットの精度が少しでも向上すればトップ30は達成できそう。闘争心を表に出して戦うファイターぶりは国別対抗戦でも力を発揮する可能性が高く、A.ズベレフに続くドイツの2番手の筆頭候補としても注目したい存在だ。