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Yen-Hsun Lu

ルー・イェンスン

 生年月日: 1983.08.14 
 国籍:   台湾 
 出身地:  台北(台湾)
 身長:   180cm 
 体重:   74kg 
 利き手:  右 
 ウェア:  adidas 
 シューズ: adidas 
 ラケット: HEAD Extreme Pro 
 プロ転向: 2001 
 コーチ:  Stephen Koon 

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 鍛え抜いたフィジカルをベースに必死にボールに喰らいつく粘り強さやミスの少ないストロークの安定感が光る堅実なテニスで長年に亘りトップ100を維持してきた経験豊富な台湾のハードワーカー。2000年代前半に活躍したタイのスリチャパンが引退してから日本の錦織が台頭してくるまでのテニス界においてアジア人男子プレーヤーの代表格といえばルーのことだった。日本の実業団に所属していた過去の経緯もあり、日本でも馴染みの深いプレーヤーであるが、08年北京五輪で当時すでに優勝候補の一角を成していたマレーを1回戦敗退に追いやったこともあれば、何より10年ウィンブルドンでは4回戦で過去3度のファイナリストであったロディックを破る大番狂わせを演じ、アジア人としては松岡修造以来15年ぶりとなるグランドスラムでのベスト8進出を果たすと、その後自己最高の33位を記録している。特筆に値するのはランキングの上下動の少なさで、それは練習量の多さに起因するところが大きいと言われるが、結果面で見ればツアーレベルで結果が出ない時期でも下部大会ではコンスタントにタイトルを積み重ねてきたからであり、史上2人目となるチャレンジャーレベルでの通算300勝も達成している。球足の速い条件での好成績が目立ち、低い姿勢でのボールの処理に定評がある点でとりわけ芝を得意としている。

滑らかにコースに打ち分けるテンポの速いストローク

 ベースラインからのストロークの特徴はテンポの速さとボールの深さであり、体格の印象通り特別パワーがあるわけではないが、フラット系の軌道はバウンド後に伸びてくるため十分に相手を守勢に回らせるだけのクオリティを備え、またアプローチショットに改善の余地はあるもののネットに詰める積極性そのものは相手に大きなプレッシャーを与えている。高い位置にとったテイクバックから大きな遠心力を利用してボールにスピードを与えるフォアハンドは彼の武器の1つで、速い打ち合いの中でもクロス、ストレート、逆クロスと非常に滑らかに打ち分けるコース変更の技術に秀でる。タイミング自体はライジングで早いが、一方でボールをしっかりと引き込みラケットに乗せるような形で打ってくる分、懐の深さが生まれコースを読むのが難しい。バックハンドも鋭い強打に加えて、相手の予測を外すようなショットや厳しいアングルを突いた崩し、追い込まれた際に放つスライスのディフェンスショットといった器用さも兼ね備えており、ベースラインの攻防でルーを崩すためには普段以上のペースで攻め立てたり、あるいは少し下がってテンポを落としたりと一定のリズムでプレーさせないことが重要だ。ただし、彼にとって苦しいのは自らのショットがあまりにも癖のないクリーンな球種である点で「やりにくさ」というものが生まれず、自分が良いプレーをすればするほど特に上位陣にとっては調子を上げていくうえで格好の対戦相手となってしまっていることだ。

まだまだアジアテニスの牽引役としての活躍を期待したい

 これといって目立った武器はないが、弱点の少ない確かな技術と毎ポイント欠かすことなく闘う姿勢を貫くメンタル面のタフさが共存したテニスは一筋縄ではいかないプレーヤーとしてベテランになった今でもツアーで存在感を示している。最近は彼らしくない淡白な敗戦がやや増えており、モチベーションの低下が心配されるが、テニス自体は強さに衰えはほとんど見られない。世界のまさにトップで戦う錦織の登場でテニス人気に火がついたとはいえ決して人材豊富とは言えないアジアテニスであるだけに、まだまだ牽引役として溌溂としたプレーを続けてほしい。