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Paolo Lorenzi

パオロ・ロレンツィ

 生年月日: 1981.12.15 
 国籍:   イタリア 
 出身地:  ローマ(イタリア)
 身長:   183cm 
 体重:   78kg 
 利き手:  右 
 ウェア:  Australian 
 シューズ: asics 
 ラケット: HEAD Prestige MP 
 プロ転向: 2003 
 コーチ:  Pietro Griccioli  

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 かなり後方にポジションをとって豊富な運動量でボールを追い回し、叫び声にも近い大きな声を上げながらトップスピンを効かせたショットで打ち粘って長いラリーをしぶとくものにしていく無骨なファイタータイプのストローカー。彼の息の長いキャリアの主戦場はチャレンジャーレベルにあり、そこでの勝利数などは歴代でも屈指で、特にクレーでのチャレンジャーには滅法強く、ツアーレベルへの移行を目指すプレーヤーにとってロレンツィは壁のような存在となってきた。彼自身がツアーレベルでの実績を積み重ね始めたのは30代に突入して以降のことで、今では逆に珍しくなった伝統的なクレーコートスペシャリストとして存在感を示し、16年には34歳7か月というATP史上最年長でのツアー初タイトルをキッツビュール(250)で獲得すると、フォニーニやセッピら同胞の低迷もあってまさかのイタリアNo.1プレーヤーの座に就いた。グランドスラムでは本戦初出場となった10年全豪から出場13大会連続の1回戦敗退というこちらは史上2番目に悪い記録を作ってしまったが、それも現在に至るまでの多くの苦労を表す彼らしいエピソードといえる。オフコートでは外科医である父親の影響もあり、ツアー生活の合間を縫って地元シエナの大学の医学部で学ぶ非常にユニークな一面もある。

得意のスローペースに引き込む巧みな駆け引きを仕掛ける

 ベースラインから5m下がることも厭わず、とにかく自らの好む遅いペースに持ち込んでメンタル面も含めた相手との持久戦を挑んでいくストロークは、フォアハンド、バックハンドともに高い軌道のスピンボールを打ち続けるのが特徴で、自らのショットに決定力が不足している分を補って余りある安定感と、早めのテイクバックで相手の足を止めたり相手からミスを誘い出すなどのうまさを備える。ほとんどロブの部類に入れてもいいようなゆったりとしたボールをラリーに織り交ぜて戦うのが他では見られない彼特有の戦術で、彼との対戦では否が応でも心身を擦り減らすような消耗戦を覚悟しなければならない。高いポジションをとって速い展開で振り回してくるプレーヤーと対してもクレーであれば振り切られることは少なく、強打での返球に窮する追い込まれた場面では両サイドともにスライスで粘るが、その精度や質も水準以上のものを持っており、後ろでの打ち合いにおける守備の堅さは特筆に値する。また、時折フラット系の鋭いショットで膠着状況を打開してくることもあり、バランスを崩した相手を察してネットに出ていくことも意外に多く、攻めの局面では重要なポイント源となっている。基本的にはストローク偏重の彼がサービスゲームではサーブ&ボレーを多用するのも、相手にリズムを掴ませないためには効果的な手札である。また、サーブではトスアップの前に3秒ほど静止する面白いルーティンがあり、この間によってリターン側が焦らされる効果もある。

30代半ばでのキャリア絶頂はハードワークと闘志の賜物

 スピード化の著しい近年の男子ツアーの中で大ベテランの彼がここに来てキャリアの絶頂期を迎えているのは、本来の持ち味であるスタミナを維持しつつ経験に伴って駆け引きに磨きがかかっているからだろう。また、キャリア最高位を更新しているということで言えば、ハードコートでの成績が上がっているのが最近の傾向で、以前は下部大会でさえ活躍はクレーに限られていたが、彼にしてはポジションを高く保ちボールの回転量も減らしてカウンターを取っていくテニスが板についてきた分、ハードでのプレーに順応できるようになってきた。決して華はないが日常のハードワークを欠かさず、コートに立てば闘争心を表に出しながら自らのスタイルを貫徹し若手に立ち向かう姿勢は高く評価されており、個性派のベテランとしてまだまだ懸命に戦う姿を期待したいものだ。