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Tommy Robredo

トミー・ロブレド

 生年月日: 1982.05.01 
 国籍:   スペイン 
 出身地:  オスタルリック(スペイン)
 身長:   180cm 
 体重:   75kg 
 利き手:  右 
 ウェア:  SERGIO-TACCHINI 
 シューズ: asics 
 ラケット: Wilson Blade 98 (16×18) 
 プロ転向: 1998 
 コーチ:  Jose Luis Aparisi 

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 全身を使った躍動感溢れるストロークと常に全身全霊で相手に立ち向かう持ち前の闘争心を武器に、スペインの伝統を受け継ぐタフなストローカーとして早くから期待され、また結果も残してきた元No.5プレーヤー。03年全仏でNo.1のヒューイットと3度の全仏覇者クエルテンを破ってベスト8に進出し、準々決勝では前年優勝のコスタにフルセットで敗れたが、上位シードが早期に散る荒れ気味の大会にあって勢い溢れるロブレドの躍進は鮮烈な印象を残した。06年ハンブルクでの優勝が彼のキャリアでは最も輝かしいタイトルで、これはビッグ4時代が始まる前の時期であり、さらには当時の2強フェデラーナダルが欠場した大会だったとはいえ、現役では数少ないマスターズ優勝の実績を得たという意味でその価値は非常に大きい。30代に突入する頃から下半身や手首などに故障が続くようになり、12年には手術に踏み切ったことでランキングを400位台まで落としたが、不屈の闘志を見せつける形で翌年には見事なカムバックを遂げた。プレースタイルはまさに典型的なクレーコーターのそれで、大きく弾ませて相手を外に追い出すスピンサーブの多用やベースラインを境にゾーンを強く意識した攻守にメリハリのある戦い方をする。しかし、意外にもテニスを始めたのはクレーではなくハードコートという経歴があり、実際ハードでも十分な実績を残しており、クレー以外でも戦闘力が落ちないスペイン勢としてはフェレーロやモヤなどと並んでその先駆けの1人と言ってもいい。また、チャリティーにも熱心で、車いすテニスへの支援で知られている。

躍動感溢れるストロークで相手の弱点を的確に攻略

 ストロークは厚いグリップから繰り出す振り抜きの良いフォアハンド、下からこすり上げるようにボールを捉えるシングルバックハンドともに、守った時に高いループ軌道で展開をリセットするうまさが光り、強烈なスピンのかかった重いボールを的確に深く打ち続け、徐々に相手の体勢を崩してから、最終的にはより高い攻撃力を誇るフォアを軸にアングルをつけた思い切りの良い攻めでポイントを取る形が多い。若手の頃は「あんなにダイナミックに身体を使い続けていたらもたない」と言われたこともあったが、ベテランになった現在でも飛び跳ねるような身のこなしからのストロークは健在だ。イーブンなラリーから一本でウィナーを取れるほどの威力や迫力はないが、逆にどんなにスピーディーな展開で振り回されても、読みの良さと驚異の脚力でなんとか返球し、簡単にポイントを取らせない。基本的にはボールを強く叩いて押し込んでいくオーソドックスなタイプであるため、相手としてはそれほどやりにくさや怖さを感じることはないが、一方で弱点らしい弱点もなく、なかなか決定打を浴びせられないという意味では、プレッシャーは多大なものがあるだろう。とはいえ、豊富な経験に裏打ちされた戦術的な幅の広さも持ち合わせており、試合の中で相手の弱点を的確に見抜いたうえで、球種やリズムに変化をつけて手玉に取っていく。試合序盤は相手のパワーに圧倒されて明らかな劣勢になることも少なくないが、彼自身焦りの色は見せず、大きな声を出しながら自分を鼓舞していき、相手の隙を突いて徐々に流れを呼び込む試合巧者ぶりが、2セットダウンからの大逆転勝ちを幾度となく演じられる要因だ。また、豊富なスタミナとプレッシャーに強いメンタルも一流の域にあり、とりわけ5セットマッチのファイナルセットの成績が歴代でも屈指の高率を誇るのは、これらの要素が大きく貢献している。

動きの素早さが安定感抜群のテニスの源

 粘り強いフットワークは彼の安定感抜群のテニスのすべてと言っても過言ではなく、ひたむきにボールを追ってコートを縦横無尽に駆け回る姿は非常に印象的だ。単純な動きのスピードはもちろんだが、動き出しの早さもストローク他すべてのプレーの精度を高めている要因である。とりわけドロップショットへの反応の速さは目を見張るものがある。

駆け引きのうまさが際立つリターンゲームの戦術

 リターンゲームの強さも大きな武器の1つだが、特徴的なのはそのポジションで、ベースラインから大きく下がってなるべく自分のスイングができるところまでボールを呼び込む。志向としてはリターンから攻撃を仕掛けるというよりは、相手に難しいボールを取らせつつもまずはラリーに持ち込むというもの。特に2ndのリターン時にはそれが顕著で、目一杯後ろに下がってフォアでもバックでも軌道の高い強烈なスピンボールを相手コート深くに返球する。当然相手はサーブ&ボレーを多用するなどして対抗してくるが、そうなれば今度はネット際相手の足元にピンポイントで落としたり、その横を鮮やかに抜く得意のパッシングショットを見舞う。その一瞬の切り替えと判断力は特筆に値する。また、ハードコートでは積極的に踏み込んで叩くリターンも多用するなど、状況に応じて様々なプレーを選択し、相手に容易な対応を許さない。

ツアーレベルから脱落しても現役を続行する姿勢は尊敬に値

 他のベテランプレーヤーの目覚ましい活躍に触発されたかのように12年のハースに続いて大復活を遂げたロブレド。三十路も半ばを迎えるとさすがに実力的な衰えは隠すことができず、ここ数年はツアーで彼の姿を見ることがほとんどない状態になってしまったが、一度トップ5に入ったプレーヤーが何年にも亘りチャレンジャーレベルを地道に回って現役を続行している事実それ自体が大変な尊敬に値する。テニスのスタイルは地味でも、屈指の実績と経験を持つ彼が、今後どこまでレベルを維持して現役で戦えるのか要注目だ。